就業規則が職場慣行に反する場合はどっちが優先なのか?
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職場には就業規則の規定があります。
一方で職場の古くからの慣行(以前からの習わし)があるでしょう。

さて、この就業規則の規定と職場慣行…
どちらを優先すべきなのでしょうか。

今回は就業規則が職場慣行に反する場合はどっちが優先か?…
この点についてお話したいと思います。




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就業規則が職場慣行に反する場合はどっちが優先か?



結論から言えば、職場の慣行が、一定の要件を充足し、違法なものでない限り、職場の慣行が優先されます。
そのため就業規則の変更が必要となります。

労働慣行(職場慣行)とは、「その企業が属する業界など、企業社会一般において、あるいは独自にその企業の中で、事実上の制度や取り扱いとなったもので、労使間において当然のこととして了承され、規範化した一定の事実」と言うことができます。

労働慣行が、規範力を認められるには、その内容が違法なものでないことが前提ですが、次の5つの要件が必要と言われています。

➀ある事実の取り扱いや制度と思われるものが…
➁反復継続して行われており、特別なことがない限りその取り扱いや制度によるとしたことが定着化し…
➂その取り扱いや制度をその職場の従業員も使用者も認識しており…
➃就業規則の制定·変更権限のある経営者が明示または黙示的に了承しており、そのことについて、当然のこととして労使ともに異議を述べておらず…
➄労使ともそれに従って処理や処遇をしており、事実上、職場の決まりごととして「ルール化」(規範化)している。

これらの要件をすべて充足するような、職場における事実上の取り扱いや制度があれば、いわゆる労働慣行として認められます。
従って、規範効果が認められる労働慣行がある職場では労働慣行が就業規則に優先しますので、就業規則の変更が必要となります。

すでに、定着している労働慣行を是正、変更、廃止するときは、就業規則を改正して成文化により意思を明示する方法が有効ですが、実務的には、労使の合意によりこれらを行うことが推奨されます

ただし、労働慣行が、公序良俗(民法第90条)や強行法規に抵触する場合においては、効力が認められません。
例えば、今まで法定労働時間の時間外の労働に対して、労働基準法第37条で定められている割増賃金を支払っていなかったなどの違法な取り扱いが長い間続いていた場合、それは労働慣行として成立していたとしても法的には保護されません。

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