「バーナム効果・法則」は使い方次第でカモを生む?!

「バーナム効果・法則(Barnum effect)」を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
良く占いなどを説明する際に、出てくる言葉です。

ただ、今回はビジネスの世界における「バーナム効果・法則」について、ご紹介したいと思います。
これを知れば、あなたは詐欺の本質がわかるかもしれません。




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バーナム効果・法則は使い方次第でカモを生む?!



世の中には、だまされやすい人が実に多いと見えて、「カモは毎分生まれる(There’s a sucker born every minute.)」(sucker=だまされやすい人、カモ)と述べたのは、フィニアス・テイラー・バーナム氏です。

バーナム氏はアメリカで19世紀に活躍した興行師で、大型サーカス団を創設し、数々奇抜なショーを打ち出したことで有名です。
彼が組織したサーカス団、バーナム&ベイリー(現・リングリング·ブラザーズ&バーナム&ベイリー)は、今でもアメリカ全国を巡回して
います。
彼の奇想天外な演出は人気を呼び、多くの人たちを惹きつけていました。

たとえば、サルに魚の下部を付け足して人魚に仕立てたりして、観客を驚かせました。
そのことから、バーナム氏に「いかさま王子」のあだ名がついたくらいでなのです。

しかし彼は、大衆が支払ったお金に見合う楽しみを得ているなら、何ら悪いことではないと広言してはばからなかったのです。
むしろ、法的な詐欺に対しては極めて厳しく批判的でした。

その斬新なアイデアによって、彼は「宣伝のシェークスピア」と称され、「プロモーションがなければ、大変な事態になる…誰も来なくなるよ」というのが口癖で、現代の広告や販促手法のパイオニアともいわれているのです。

人々を楽しませるためだとしながらも、自分が打ち出したアイデアが多くの人を絶え間なく惹きつけた経験から、人はだまされやすいと考え、この名言を唱えたようです。

確かに今日の社会では、振り込め詐欺や未公開株の購入などの不祥事がしばしば紙面を賑わせています。
どう見ても、明らかにあやしい話であるにもかかわらず、実に多くの人たちが詐欺の被害にあっています。
まさに「カモは毎分生まれる」のバーナム氏の名言通りなのです。

これは何も現在の日本に限ったことではなく、17世紀にオランダで起きた有名なチューリップ・バブルの経済事件をはじめ、古今東西、何時の世でも見られることなのです。
その最たる例は、数年前にアメリカ全土に大きな衝撃を与えた、マドフ巨額金融詐欺事件ではないでしょうか。

ユダヤ人のバーナード・マドフ氏は、証券取引所ナスダック(NASDAQ)の会長まで務めた超大物でした。

名前:バーナード・ローレンス・マドフ(Bernard Lawrence Madoff)
生年月日:1938年4月29日
出生:アメリカ合衆国ニューヨーク州クイーンズ
職業:実業家、元NASDAQ会長

同氏が経営する投資ファンドは、彼の肩書きを利用し、毎年1割の利益を上げていると宣伝して、多額の資金を集めていました。
しかし実際には、集めた投資資金を新規顧客の配当や解約金に充てる…
いわゆるポンジスキーム(詐欺の一種)であったのです。

高い利回りを装い、投資家を募って、長らく彼らから金をだまし取っていたのです。
その詐欺事件の被害総額は、空前ともいえる650億ドル(当時約6兆円)とも言われ、アメリカ犯罪史上、個人による最大の投資詐欺事件となったのです。
これにはロイヤルバンク・オブ・スコットランドやBNPパリバ(フランス)、野村證券など世界中の大手金融機関や投資会社だけでなく、多くのセレブたちまでがだまされました。

この詐欺事件の大きな特徴は、その被害額が膨大であるだけでなく、被害にあった大半の個人投蔡がマドフ氏と同じユダヤ人だったことです。
というのも、マドフ氏がナスダック(NASDAQ)の元会長であり、ユダヤ人社会では大口慈善家としても著名だったからなのです。

ユダヤ人に強い衝撃を与えたのは、マドフ氏が自分の身内であるはずのユダヤ人たちをだましたことです。
ユダヤ人同士の結束は伝統的に非常に固く、ユダヤ人が金を借りたなら、他のユダヤ人が連帯して保証したことになるとされているほど、仲間意識が強いのです。

同じ仲間をだましたことで、彼はユダヤ人社会から激しい怒りと顰蹙(ひんしゅく)を買いました。
ある被害者は、裁判所で証言台に立ち、裁判官に対して「人から金を盗んだ窃盗罪だけでなく、人々の信頼を殺したので、殺人罪にも問うべきだ」と怒りをあらわにして、厳しく訴えたほどでした。

2009年6月、裁判官は、社会的地位を利用して20年にわたり詐欺行為を続けたことから、情状酌量の余地は全くないとし、71歳のマドフ氏に対し、禁固150年という気が遠くなるような判決を言い渡しました。
その後、さらに1700億ドル(当時15兆6400万円)にのぼる彼の全財産の没収を命じたのでした。

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