マーケティングにおける営業マンの役割と連携のあり方

ビジネスの世界において、営業活動は販売促進の大きな柱です。
なぜならテレビCMよりも、パンフレットよりも、直接自分で出向いて顧客に製品やサービスのよさを伝えられた方が、きっと効果的だからです。
マーケティングとは区別されることも多い営業活動ですが、その活動はマーケティングの目的とも重なるところが多くあります。

営業の仕事は何でしょうか。
もちろん、製品やサービスを売ることです。

さらに、企業によっては、顧客と直接会う営業マンは、顧客からの情報を集める基点でもあると考えられています。
現場からの声を大事にするという企業があるとすれば、彼らは、営業マンを大事にしているといえそうです。
営業が花形部門だという企業も少なくないと思います。

さらにもう一つ、営業マンには顧客との関係を構築・維持するという重要な役割があります。
今すぐに売るものがなかったとしても、特に重要な情報が得られないとしても、いつかその日のために関係を保つということが、営業マンには求められます。

営業が活躍するという場合には、いわゆるカリスマ営業マンを思い浮かべがちになります。
個人として優れた能力を有し、特定の顧客と密接な関係を築き、企業の売上に大きく貢献している人々の存在です。

属人型営業ともいわれるこの方法は、営業マンのイメージの最も典型的なものでしょう。
組織としては、こうした優れた人をたくさん採用し、教育し、支援していくことが必要になります

しかし、属人型営業には組織として様々な課題があります。
例えば、カリスマ営業マンを奨励することは、ノウハウが個人にだけ蓄積されることを認めることにつながり、組織全体として能力を引き上げることは難しくなります。

また営業マンと顧客の関係が強くなるため、何か問題が起きたときなど組織やマネジャーが営業マンと顧客の関係に割って入ることが困難です。
このことは組織によるマネジメントや支援が実質的に不可能になることにつながります。

最後に、属人型営業では,最初に顧客と一緒に問題解決を目指しながら、結局自社製品やサービスを売らなくてはいけません。
どんなに親切にされても、結局は何かを売りつけたいのだろうと顧客に思われてしまいかねないわけです。

そういった背景もあり、近年では、属人型営業に代わり組織型営業と呼ばれる集団でチームを組みながら営業活動を進めていく方法も当たり前になっています。
活動の多くを介業することで効率化を図るとともに、マネジャーが活動間の調整を行うことを通じて、彼らの知識やノウハウを組織の側に蓄積していくことができるようになります。




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営業プロセスの管理や調整はどのように行うべきか?



組織型営業を実施する上で大事になるのは、営業をプロセスごとに区切って管理するという営業プロセス管理です。
営業プロセス管理では、顧客へのアプローチ、販売、アフターフォローなど営業活動の重要な局面局面を分割し、それぞれをプロセスとして管理します。

個別のプロセスは組織型営業と結びついて、専門の担当がつきます。
専門の担当ごとにカリスマ営業マンが登場するかもしれませんが、彼らの活動もまたしっかりとマネジメントの範囲に収まります。

流通科学大学の石井淳藏教授は、この仕組みをプロ野球の勝利の方程式から説明しています。
昔の完投が当たり前だった時代とは異なり、今は、投手にも分業が成立しています。
分業が成立することで、それぞれのイニングでなすべきことがはっきりとします。

また、一体どこに問題があるのか、監督は把握しやすくなります。
中盤で点を取られる傾向があるのならば中盤に問題があるのです。

完投型では、全体がつながってしまうために、本当の問題を捉えることができません。
結果、その投手の能力に依存することになってしまいます。

営業も同じです。
営業プロセス管理を行うことで、担当のなすべきことを明確にし、洗練させることができます。

そして同時に、各プロセスの進捗状況を確認することによって、営業全体の課題を発見することができるようになります。
最後に、こうした全体の統制をマネジャーが行うことによって、個人に蓄積されがちな知識やノウハウを組織全体のものとして、次の活
動に生かすことができるようになります。

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