「栄養ドリンク」の効果はその場凌ぎでしかない件

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これから頑張らなければいけないとき…
体力的に疲れたとき…
そんなビジネスマンをサポートしてくれるアイテムが「栄養ドリンク」です。

職場や自宅で、この「栄養ドリンク」を頻繁に飲んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。
ただ、この「栄養ドリンク」…
やはり、その場凌(しの)ぎの効果しかないらしいのです。




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栄養ドリンクの効果はその場凌ぎでしかない件



「肉体疲労時の栄養補給」、「滋養強壮」などをうたい、実に多くの種類が販売されている栄養ドリンク…
戦後の高度成長期から日本のビジネスマンに愛飲されてきました。

近年になっても、女性用、子供用、海外発の「エナジードリンク」など、その種類は増える一方です。
栄養ドリンクは薬事法上、「第二類医薬品」や「第三類医薬品」、「医薬部外品」に分けられのですが、内容成分にはいくつか共通する特徴があるのです。

それが糖分とカフェインです。
アルコールを含むものも少なくありません。
これらが元気になる、パワーがみなぎるなどという感覚に作用しているのです。

アルコールの摂取で体温が上昇、血管が拡張したところへ興奮物質カフェインが作用し、さらに糖分が血糖値を上げるという仕組みなのです。
しかし、いずれも一時的なものに過ぎず、アルコール、カフェインの依存性や急激な血糖値の上下は、むしろ身体にとって害悪だともいえるのです。

次に挙げられるのがタウリンです。
エナジードリンクなど、「清涼飲料水」として販売される栄養ドリンクには含めることが認められていないため、アルギニンで代用することが多くなっています。
しかし、同等の作用は得られないとされています。

タウリンは、カキやタコ、イカなどの魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種…
スルメの表面に浮き出る白い粉がタウリンです。

人は体内で生合成できるが、ネコはできないので摂取が必要な栄養素です。
そのため多くのキャットフードに含まれています。

心臓や肝臓の機能に効果があるといわれるタウリンにも、よく見られる「1000㎎配合」という言葉が使われています。
しかし1000㎎は1gのこと…
タコの足なら1本、カキなら5個食べれば摂取できる量にすぎないのです。




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栄養ドリンクの過剰摂取で死亡例まである?!



医薬品と医薬部外品に指定された栄養ドリンクは、1本を100㎖以下とするように定められており、効能や効果を表示することができます。
一方で清涼飲料水の方は、効能の記載はできませんが、内容量に制限がありません。

缶に入ったいわゆるエナジーリンクがそれにあたります。
海外では非常に人気があり、陳列棚の上から下まで様々なブランド製品が並んでいることもあります。
サイズも日本の4倍近いものまで売られていたりするのです。

エナジードリンクの100㎖当たりの栄養成分表示を見ると、炭水化物(糖質)が10g以上あり、1割を超えます。
カフェインは30㎎から50㎎で、普通のコーヒー 杯と同じか、それより少ない程度です。
つまりエナジードリンクの正体は、すごく甘いコーヒーにいくつかの成分を足したものにすぎないのです。

また、エナジードリンクは、炭酸飲料としての飲みやすさが求められるために、香料、甘味料保存料などの添加物を多く使用しており、健康への影響はさらに懸念されます。

アメリカ食品医薬品局(FDA)はカフェイン中毒による心臓発作で死亡した14歳の少女について、エナジードリンクの過剰摂取が原因ではないかという調査を行っています。
また日本でも2015年、九州地方で20代の男性が国内初のカフェイン中毒による死亡と診断されました。
長期にわたるエナジードリンクの大量摂取が原因と見られるためです。

専門家の中には栄養ドリンクを「非常食」だと指摘する人もいます。
例えるなら「乾パン」のようなもので、非常時には食べるが、普段の食事として食べるものではないというのです。

人間はなるべく普段の食事から栄養を摂ることが重要です…
そのうえで、病気などでどうしても食べられない時にのみ非常食として、栄養ドリンクを用いた方が良いのではないでしょうか。

もちろん、その際にも病院なら、注射や点滴といった方法での栄養摂取をすすめるはずです。
その方がよっぼど効果があるからです。

人間の身体は疲れたり、体調がすぐれなかったりすることがあります。
そんな時どうすればいいのか?…
その答えは簡単で「休めばいい」のです。
栄養ドリンクを飲んでも、その場しのぎ、疲れの先送りに過ぎず、根本的な解決にはならないのです。

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