宇宙空間で血液が沸騰するなんてことはあり得ない件

さて今回は「宇宙」のお話です。

会社などで宇宙の話題になったとき…
「宇宙空間で血液が沸騰する」…なんて話を聞いたことはありませんか?

宇宙は無重力ですぐに凍ってしまう…
そんな話も聞いたことがありますが、実際のところどうなのでしょうか。




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宇宙空間で血液が沸騰するなんてことはあり得ない件



宇宙空間に投げ出された人間は一瞬で血液が沸騰し、体内の圧力により内側から破裂する…
このような描写は、SF映画ではよく見る演出であるが、実際にこのようなことは起こりえないことがわかっているのです。

1997年、NASAのウェブサイトに同様の疑問が寄せられていいます。
そこには「宇宙服なしで宇宙に出た場合、人体はどのようになってしまうのか?」と投稿されていました。

これに答えてNASAは次のような回答をしています。

30秒程度ならば、ほとんど後遺症が残ることもないだろう。
10秒経過したあたりから体に異変が生じるが、体が破裂することもなければ、血液が沸騰することもない。
凍結することもなければ意識を失うこともないだろう。

また1965年に起こったNASAの宇宙センターの事故は、この返答を裏づけています。
宇宙センターの真空チャンバー内で、飛行士の宇宙服が減圧され、一時的に彼は真空状態にさらされました。

一命を取り留めた彼の話によると、舌先で唾液の蒸発する感触を味わったそうですが、血液が沸騰することはなかったのです。
そもそも血管には、血圧という圧力がかかっていることは皆さんご存知のことかと思います。

これは健康な成人で、拡張期には85ミリエイチジー(圧力の単位、以下㎜HG)、収縮期には130㎜HGほどになります。
37℃の体温を持つ人間の血液の蒸気圧(液体が空気を押す圧力)が47㎜HGほどであるとされるため、血圧には全く及ばないのです。

このことから考えても、宇宙空間において血液が沸騰するというのは明らかなデマだと言えるでしょう。

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