ビジネスの世界における「エコシステム」とは何か?

ビジネスの世界でよく聞く言葉の中に「エコシステム」というものがあります。
中には似たような言葉で「エコロジー」などと言っているものもあるでしょう。

さて、この「エコシステム」…
そもそもどんなものを指すのでしょうか?
今回はそんなお話です。




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ビジネスの世界における「エコシステム」とは何か?


「エコシステム」という言葉は、最近では特定の業界全体の収益構造を意味するビジネス用語として用いられたり、環境にやさしいとされる製品の名称などにも使われていますが、本来は「生態系」を意味する専門用語です。

ご存知の通り、地球は大気や水、土や生物、鉱物資源など、さまざまな自然の要素から構成されています。
そこでは植物、生物、微生物から成る生物群と、それを取り巻く非生物的な環境とが相互に作用しながら、生命(エネルギー)の循環を作りだしているのです。

こうした一つの機能的なまとまりをなすネットワークが、エコシステム=生態系なのです。
たとえば、一つの水槽の中、一つのため池の中の生物社会にも、生物とその環境、生物群同士がかかわり合うネットワークが存在します。

森林、草原、湿原、湖、河川など、比較的限定された空間・場所・地域においても同様で、それぞれを一つの生態系という
こともできますし、また地球全体を一つの生態系と捉えることもできるのです。

こうした生態系という概念は、19世紀末から出てきたもので、1930年代に、イギリスの植物学者タンスレイが提唱し、広がりました。
1960年代、環境問題に対する社会的関心の高まりとともに一般の認知度も上がり、生態系は、生物とそれを取り巻く環境の安定的なシステムを考える上でのキーワードとなったのです。

生態系には、人間をはじめとする生物の生存を助けるための物質供給機能…
具体的には、食料、水、薪炭、繊維、生物化学品、遺伝子資源などが備わっています。
また、それらに加えて、人間や生物の生存に必要な気候調整、疫病調整、食料調整、無害化など、周辺条件を健全に保つための調整機能も備えているのです。

つまり、人間も生物も、生態系が形成する環境に合わせて生まれ、また生存し、生活を営んでいるともいえるのです。
生態系においては、「食べる・食べられる」(捕食・被食)の食物連鎖の関係が中心の軸です。

そうした激しい「競争」がある一方で、環境や他の個体との「共生」もあれば、その系の中で互いに働きかけて安定化する性質も見られます。
また、周辺環境の状況などによっても生態系は変化します。

近年は、工業化による環境汚染や環境破壊、また、もともとその生態系に存在しなかった外来種が、交通の発達などで、無秩序にいろんな地域に広がるなど、多くの地域で生態系は急劇に変化・破城が起こっています。

それだけに環境問題を考える上で、生態系の維持は大きなテーマとなっているのです。
こうした生態系の仕組みやルールを理解する科学をエコロジー(生態学)と呼びます。

ビジネスの世界におけるエコシステムとは、本来の意味として、この生態系の維持は大きなテーマに掲げて環境問題に取り組んでいる企業や事業のことを指すのです。

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