電話の通話時間を稼いで逆探知する…こんなの誰もやってない?!

こんなシーンを思い描いてください。
子供が誘拐され、両親と警察官が犯人からの電話を待って待機している…
そこに犯人からの電話があり、親がその電話を取ると、警察官がヘッドホンをして逆探知機を操作し、「犯人の居場所を特定するから、できるだけ会話を引き延ばして時間をかせいで」などと耳打ちする…

最近はあまり見られなくなりましたが、昔の2時間ドラマなどでよく見られたシーンですよね?
そもそも「逆探知」とは何なのでしょうか…
電話回線を通して犯人の現在地を探るためのシステムであるようdすが、そのようなものが本当にあったのでしょうか?

1963年に起きた吉展ちゃん誘拐事件では、警察は犯人の電話から現在地を特定しようと電話会社に協力を要請しました。
しかし、NTTの前身である電電公社が「通信の守秘義務」を理由にこれを拒否…
発生から1ヶ月後、警視庁の強い要請で電電公社は協力することとなったのですが、この事例からも明らかなように逆探知、つまり発信者の現在地の特定は、通信会社に記録を照会してもらえば一発で判明するもので、犯人との電話を引き延ばして調査するようなものではないのです。

テレビドラマで見るような逆探知機は現実には存在しない機械であり、冒頭に記したようなお約束のシーンを描くための演出上の小道具として考案されたもののようです。

そもそも現代は、連絡を取り合うのに、固定電話ではなく携帯電話を使うのが、もはや当たり前であり、GPS機能なども多くの人が活用している時代です。
冒頭の逆探知をめぐるやり取りは、設定の古臭いテレビの2時間ドラマですら、もはや時代遅れの遺物となってしまったものなのです。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

PR

ページ上部へ戻る