男と女には秘密がある方がうまくいくのはなぜか?
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恋人同士や夫婦は、お互いのことを全て把握していないと、不安になりがちです。
特に女性は、男性の方に秘密があることをより心配する傾向にあります。

しかし、どんなに身近な相手でも知らないことがある方が関係が上手く続くものです。

秘密のない男女関係について、お話していきましょう。




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男と女には秘密がある方がうまくいくのはなぜ?


夫婦なのだから、愛し合っている恋人同士なのだから、という理由で「秘密を持たない」ことを美徳とする考え方があります。
そんな考え方に反対です。

人間同士のつきあい、ことに愛し合っている男女の間では、そんな仲だから”こそ”お互い知らないほうがいいこともあります。
あえて隠すというよりは、あえていわないほうがいいこともあるのです。

人間は寂しい存在です。
そして弱い存在です。
だから、過ち、トラブル、悩みなど自分にとってはつらいことを、ついグチまじりにほかの誰かに話してしまいます。
そうすることで、つらさをシェアしたがるものです。

一人で問題を抱えているとき、それを誰かとシェアしてしまえば、つらさが半分になるのではないかと考えがちだが、そんなことはありません。
もちろん、話すことでつらさが軽減されることもなくはないが、自分でしか解決できない問題も多いからです。
その違いがわからないまま、夫が妻に、妻が夫に、あるいは恋人に話してしまうことで、半分どころか新たな悩みの種を抱えなければならなくなります。
「いや、実は会社でね。今度の部長とどうもソリが合わないんだけど・・・・」

何げなくもらしたグチに、妻は夫が予想もしていなかった反応をします。
「あなた、部長に嫌われているの?」
「もしかしてリストラの対象になってしまうの?」

これが転じて「私たち親子は、どうやって生きていったらいいの?」
という話にもなります。
妻は悲観的なイメージをいっそう広げ、信じられないほどブルーになり、翌日から求人情報誌を買い求めるかもしれません。
「人には相性があるから、しかたがないんじゃない。そのうち、部長ともうまくいくようになるから、あまり気にしないで・・・・」

こんなフォローをしてくれる妻は夫にとってよき伴侶です。
夫と同じように組織で働き、その人間関係という厄介な問題に想像力が働く妻ならいいが、専業主婦の妻であれば過剰に反応してしまうかもしれません。
打ち明けてはみたものの、妻の受け止め方が予想とはまったく違っていて、自分以上に悩みはじめることもあります。

悩みを半分に和らげようと思っていったひと言が、今度は妻の悩みという新しい問題を生み出してしまいます。
半分どころの話ではありません。
悩みの種類が本人とは違うから、より厄介です。
女の感性は男とは違います。
そうなると、今度は妻の悩みを斟酌しなければならなくなるから、倍以上の悩みです。

こういう齟齬はどこから生まれるのでしょうか。
それは夫と妻が「完全にわかり合える」「完全にわかり合わなければならない」と決めてしまうからです。

ロシアの文豪トルストイは八二歳でこの世を去っているが、死の数日前に五〇年近く連れ添った妻の元を離れています。
「ああ、やっぱりわかり合えない」と文豪がいったかどうかはわからないが、世の夫婦は何年一緒に暮らしていても、完全にわかり合えることなど絶対にないのです。

もし、わかり合っていると口にする夫婦、恋人がいたら、それは、わかり合えたとお互いに錯覚しているのだと思っておいたほうが良いでしょう。
「完全にわかり合えることなどない」という前提で生きている人間にとっては、秘密を持つこと自体は相手に対する背信行為ではありません。
何でもかんでもさらけ出してしまうことは、何の役にも立たないうえ余計な心配を相手にさせるだけです。
むしろ、秘密は隠しておいて、あらぬ不安や心配の種をまき散らすことこそを慎むべきなのです。
お互いにある種の秘密を持っていることを、不実の関係だなどと考えることはありません。

その人が知らないことは、その人にとっては地球上に存在しないことなのです。
「知らぬが仏」は夫婦や恋人同士にとって、もっとも有益な教えだと思います。

逆に、それなりの秘密が二人の間にあるからこそ、ひと組の他人の男女が何十年も一緒に暮らしていけるのです。
「夫と妻は一緒にいないことだね」

ここ数年来、その人生が脚光を浴びている白洲次郎氏は、夫婦円満の秘訣を問われてこう語りました。
妻である文筆家の白洲正子さんとの結婚生活は、次郎氏の死によって分かたれるまで続いたが、彼のこの言葉は、「何でもわかり合える」と思わなかったからこその達観の言葉でもあります。

自分で解決できることは秘密のままで良いです。
むしろ秘密は上質のスパイスです。
秘密のない男女関係など、無味乾燥で面白みがありません。

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