こんなことを言っていませんか?
「量をこなさなければ、仕事の質は上がらない」…
よく耳にする言葉ですし、一理あるのですが、受け取り方を間違えてしまうと大変な誤解を生みます。
ただ単にダラダラと長時間仕事をすることで、結果的に量をこなしたとしても、それは決して仕事の質を上げることにはつながらないからです。
仕事はその「徹底度」でレベルが決まります。
気がついたことにはすべて対処し、万が一にもやり残しの部分をつくらないことが重要です。
「神は細部に宿る」という言葉があります。
素晴らしい芸術作品がそうであるように、何事も細部に心を込め、こだわってこそ物事の質が上がるという意味ですが、見方を変えると、細部を適当に考えているとすべてが台無しになってしまう、ということでもあります。
そういう意味では、細部に宿るのは神ではなく、むしろ悪魔なのではないかとも感じてしまいます。
細部を放置したままにすると、悪魔が牙をむき、大きな問題が起こって、物事が悪い方に転がり始めてしまうからです。
徹底的に、細部の細部まで悪魔を摘み取っていく…
それが「できる人」の仕事の仕方であり、これを実行している人は、当然忙しくなるでしょう。
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では、限られた時間の中で、仕事の細部まできちんと仕上げるにはどうすればいいのか?…
それは、「効率を上げるしかない」のです。
ここで「残業しよう」と考えてしまう人は、仕事の効率を上げる努力をせず、「終業時刻を延長する」という方法で問題解決をはかろうとしているわけですが、それが毎日続くと結果として体力を消耗するばかりですし、効率を追い求めない働き方では自分を成長させることはできません。
いかに効率を上げ、一つの仕事にかかる時間を短くできるか?…
仕事の徹底度が高い人はとくに時間が足らないので、必要に迫られて効率を上げる努力をし、結果として一定時間内により多くの仕事をこなせるようになるのです。
そう考えると、「量をこなすから質が上がる」というより、「質の高い仕事ができる人は、結果的に量もこなせるようになる」といった方が正しいのではないでしょうか。
そもそも一つ一つの仕事の質は、「どれだけ時間をかけたか?」によって変わるものではありません。
資料やデータ類がすべてそろっていて、集中すれば1時間で片づく仕事を1週間かけてやったところで、仕上がりのレベルはほとんど変わらないものなのです。
むしろ、少し手を付けたら保留して、また気が向いたときに手を付けてというふうに、長時間かけてのらりくらりとやっていると、途中で齟齬が出たり、矛盾が生じたりとロクなことになりません。
いかに短時間で仕事を処理できるか?…
それを目標として、努力し、工夫し続けることが、「仕事力」を高めることにつながっていきます。
仕事力が高まるということは、「一定時間内にできる仕事が増える」ということです。
つまり、効率を上げ、結果的に量をこなせるようになることで、あなたの実力は底上げされます。
「こんなにたくさんの仕事をした」ではなく、「こんな短時間で仕事を終えた」という点に満足感を持てるようになると、仕事はますます面白くなっていくのです。
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