心理的契約の違反とは?…デキるビジネスマンの経営学用語講座

目次

「心理的契約」という経営学用語をご存知でしょうか?
いつも使っている単なる“契約”なら分かりますが、「心理的契約」という言葉は初めて耳にする人が多いかも知れません。

しかしデキるビジネスマンを目指すのであれば…
エッジの効いたビジネスマンを目指すのであれば…
この「心理的契約」という言葉や「心理的契約の違反」に関して知っておいた方が良いでしょう。


心理的契約とは?


535
日本には「暗黙の了解」という言葉がありますが、これが心理的契約のことです。
企業と雇用される側とは契約によって結ばれています。ただ契約書にすべてを書いて明文化することは難しいでしょう。

また状況に応じて変化するもの・労働条件や職務内容をすべて変化するたびに具体的に明示するわけにもいきません。
そのためお互いに期待しあいながら心理的契約で業務は進められることとなるのです。

終身雇用も心理的契約の一つです。
よほどのことがないかぎり企業は従業員を解雇することはありません。

従業員側も契約に大きく違反することをしない限りは雇用が保障されていると期待しているからこそ他社に容易に移ることなく、その会社で定年まで働き続けるのです。
ただ、最近は特に契約違反をしたわけでもなくても転職を繰り返すのが普通になってきました。

終身雇用に対する心理的契約は崩れてきているといえるでしょう。
ずっといてくれるだろうという暗黙の了解は通じなくなってきています。




Sponsored Links


心理的契約の違反


536
心理的契約の違反をしたからといって、契約違反で罰せられるということはありません。
お互いに明文化せず心の中でそう思っているからにすぎないからです。

ただ、心理的契約の違反が合った場合、裏切られた側は期待が大きい分、裏切られたという思いは大きいです。
心理的契約の違反はお互いの信頼関係に大きな影響を及ぼすものなのです。

相互の心理的契約を埋めあうには、まずは入社時・採用時に確認・調整することが大切です。
その職場のメリットばかり伝えていれば入社を希望する側の期待は過剰になり、それが叶わなかったときの失望感は激しいです。
それもまた転職の要因となってしまいます。

メリット・デメリットの両方を開示する「リアリスティック・ジョブ・プレビュー」の手法を用いて、その会社の本当の姿を見せ、その中で希望してくれる人たちを探すのです。
入社の際に交わした雇用契約書は現時点の労働条件や職務内容に対する約束です。
終身雇用は法的に定められたものではないのです。




Sponsored Links


まとめ


537
自分の考えや意見を主張した方が勝ちというような考え方のアメリカやヨーロッパの人たちと違い、日本人は主張しない方が正しく、金銭面や雇用の内容について主張していく人は異分子扱いしていました。

暗黙の了解が日常生活においても社会においても普通に使われていた結果、終身雇用というような重要な期待もまた法的な拘束力をもたないままに成立していたのです。

ただ、今は特に違反をしていなくてもリストラなどでやめさせられる時代となり、暗黙の了解はなりたたなくなってきました。
日本企業と従業員の関係性は変わってきているのです。

その企業の良さばかりアピールして雇用しているのではすぐに信頼関係はなくなります。
本来の姿を見せるとともに、雇われる側もメリットデメリットを理解したうえで仕事探しをしなければならないでしょう。

心理的な契約は暗黙の了解の日本においては、夫婦関係や人間関係などさまざまな部分で見られます。
勝手な思い込みを持っていると裏切られることも多いでしょう。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

PR

ページ上部へ戻る