Siri(シリ)はその国によって独自の意見を持っている?!

AI(人工知能)は中立性を保たなければならないもの…
しかし、時としてSiriが偏った意見を持っていることが明らかになったことがあります。

それは、ロシア語版のSiriが同性愛に対して否定的な反応を示すというものでした。
ロシアは、ゲイなどの非伝統的な性的関係を知らしめる行為を禁止した「同性愛宣伝禁止法」を制定するなど、同性愛者に厳しい立場を取っていますが、どうやらSiriはそれに配慮しているようなのです。

このことに気づいたのは、ロンドン在住のアレックスさんという一般男性で、ロシア語版のSiriに向かって「この辺にゲイクラブはある?」と尋ねたところ、「できることなら、赤面してます」と返ってきたことをおかしいと感じたといいます。

続けて、「イギリスでの同性結婚の届け出の方法は?」と質問したら、「聞かなかったことにします」と回答…
「同性結婚って普通かな?」と意見を求めると、ついにSiriは「その感情ってネガティブなものだと思う」と否定的な立場を示したのです。

驚いたアレックスさんは、Siriとのやり取りを動画で撮影してYoutubeにアップロードし、「同性愛をポルノとして登録しているのではないか?」と怒りの告発を行ったのです。
すると、世界各国で多くの反響を呼び、ついにはイギリスの公共放送局であるBBCが検証を行うまでの事態に発展しました。
なお、BBCの検証結果はアレックスさんが行ったものと同じ結果となり、ロシア語版Siriが反同性愛であることが決定的となったのです。

これまでアップル社は同性愛パートナーの絵文字を追加するなど、同性愛をサポートする意思を示してきました。
というよりも、CEOのティム・クック氏自身が同性愛者であることを堂々とカミングアウトしていますし、「ゲイであることを誇りに思う」とまでおおやけに語っています。

そう考えると、いくらロシアの意向を酌んだものだとしても、アップルの行為はとても信じられないものだったのです。
中絶手術に対しては、頑なに反対の意思を示しているにも関わらず、ロシア政府の打ち出す反同性愛には反対の声を上げないということなのでしょうか。
対する相手によって簡単に信念を捻じ曲げてしまうのであれば、信用は失われるばかりです。

一連の報道がなされたあと、アップルはBBCに対して「(ロシア語版のSiriが反同性愛的な発言をするのはバグであり、すでに修正されている」というコメントを伝えてました。
実際、アップルがコメントを発表してからは、ロシア語版Siriの同性愛に関する受け答えは一新されていたのです。

しかし、ロシア語版のSiriだけが反同性愛的な立場を取っていたのを「バグ」と言ってしまうのはいかがなものか…
地域や文化の違いによってSiriの反応が変わるのは仕方ないことなのかもしれませんが、人工知能が主義主張に対して偏った意見を述べるのは、今の時代許されることではないはずです。




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ロシア語版では反同性愛だったように、設定する言語によってSiriの対応が若干変わるのですが、実は選んだ言語によっては声も違うというのをご存じでしょうか?
当初、Siriの声は女性のみで、なぜかイギリスとフランスだけが男性の声だったのですが、イギリスのユーザーから「女性の声に変えてくれ」という苦情が殺到したこともあって、現在はどの言語でも女性声か男性声かを選べるようになっています。

ただ、設定する言語によって声色がかなり違っており、日本語・中国語・韓国語は明るく高めのトーンで、イタリア語・スペイン語・ドイツ語は若干低めの落ち着いた声をしており、英語・フランス語はその中間といった感じになっています。

ちなみに、シカゴ大学のレベッカ・ソラーチ教授によれば、「Siriの声はもっとシームレスで人間のような自然な話し方をするようにできたはずだが、ユーザーにハイテクなガジェットであるという意識を持たせるため、意図的に人工的な声にしている」のだそうです…

また、Siriの対応の違いという点では、スペイン版だけが若干陽気に作られていると言われています。
様々な言語のSiriに「おはよう」と話しかけても「おはよう」としか返してはくれないのですが、スペイン版だけは「おはよう」と話しかけると「良い朝を迎えられましたね」とポジティブなコメントをくれるのです。

さらに、他の言語で「歌をうたって」とお願いしてもSiriは何回か渋るのですが、スペイン版だと間髪を容れずに歌を歌ってくれたりもします。
こういう違いであれば、あっても楽しいものですね。




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