フィンテック(Fintech)の発展と共に、最近はネットでも投資ができるという手軽さがウケて、ずいぶんと素人の投資家が増えてきました。
とはいえ、儲かることもあれば、損をすることもあるのが投資や相場の世界…
初心者より、経験や知識の豊富な人の方がうまい投資ができると考えるのは当然です。
ところが、事情に明るい自信家ほど失敗してしまうケースは少なくありません。
それは、いくつかの心理的なワナがそうさせるのです。
たとえば、人間は誰でもできるだけリスクを避けようとする「損失回避」の性質を持っています。
しかも、失う損失が大きいほど、それを避けようとする傾向が大きくなり、判断を誤るのです。
損失が出たとしても、早めに手を引けば痛手は小さくてすむのですが、投資額が大きくなるほど何とか損失分を取り戻そうという気持ちが強くなります。
そこで、新たに無理な投資をしてさらに損失を大きくしてしまうのです。
このような、判断ミスをしてしまう心理は「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」と呼ばれます。
超音速旅客機「コンコルド」が莫大な資金をかけながらも、そのことが逆に足かせになり、商業運航撤退を決断するまで、長い時間がかかってしまったことから生まれた言葉です。
また、経験や知識が豊富にあると、自信過剰にもなりやすいもの…
投資は、市場のあらゆる要素を総合して分析する必要があるのですが、エキスパートになればなるほど自分の能力を過信してしまい、市場は自分の予測通りに動くと思い込んでしまうのです。
目の前にあるリスクを小さく、将来のリターンを大きく見積もってしまうのですね。
プロであっても、ついつい熱くなりすぎてしまう投資…
失敗しないためには、冷静な判断力こそが大事だといえるでしょう。
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