飲食業界では「おしぼりを出す店はつぶれない」という言葉があります。
しかし、おしぼりが人気で店が流行る…
というわけではありませんし、おしぼりさえ出していれば店がつぶれない…
というわけでもありません。
つぶれる店はおしぼりの有無に関係ありませんからね。
ただ、業界にそんな神話があるくらい、おしぼりは飲食店にとってあなどれないものだといえるのです。
最近は紙おしぼりを出す店も多くなりましたが、ここでいうおしぼりはタオル地のおしぼりのことです。
店ほどフカフカで触り心地のいいタオルを使っているもの…
テーブルについて真っ先に出てきたのがそんなおしぼりだと、まず気分がいいものです。
夏には冷えたもの、冬には温めたものが出てくるのもうれしい気遣いです。
気の利いた店になると、食事が終わってくつろいでいると、お茶と一緒にまたおしぼりが出てくることがあります。
それだけで「親切でいい感じ」という印象が残ります。
こういうサービスは外国ではなかなかお目にかかれません。
日本人独特の美意識なのです。
ここまでくれば、もうおしぼりの重要性が見えてきたようにも思います。
おしぼりは店側のサービスであり、お客に対する心配りなのです。
おしぼりを出しても一銭の儲けにもならないのですが、お客に少しでも気分よく食事をしてもらいたいという気持ちの表れなのです。
もちろん、おしぼり1本にだってコストはかかります…
しかし、そういうところに気を配れる店は、料理にも愛情がこもっているし、トイレも常に清潔でスタッフの教育にも気を配っていることが多いのでしょう。
「おしぼりを出す店はつぶれない」といわれるゆえんは、このあたりにあるのではないでしょうか。
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