目次
個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする論理的推論の方法のことを「帰納法(きのうほう)」といいます。
ビジネスの世界においても、この「帰納法」の論理的展開が重要になってきます。
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帰納法とは?
帰納的な論理展開とは、複数の観察された事実や意見の類似性から結論を導く方法です。
帰納法は、自動的に結論が出る演繹法とは異なり、「観察された情報の共通性から導ける結論を考え出す」という作業が必要です。
すなわち、結論は「…だろう」、「…のようだ」という推測の形をとることが多くなります。
以下に例を挙げて説明します。
「A県の衆議院選で無所属候補が議席を独占した」
「B市の補欠の市長選で、無所属候補が当選した」
「C県知事選は、
↓
「既存の政党への不信が強まっている」
また、仕事の中では、帰納法的な論理展開を利用することで、説得力のある説明を行うことができます。
例えば先ほどの例では、プレゼンの最初で以下のように説明することができます。
「既存の政党への不信が強まっている(結論)。その理由となる背景は三つある。一つはA県の衆議院選で無所属候補が議席を独占している。二つは、B市の補欠の市長選で無所属候補が当選している。三つは、C県の知事選市は与野党相乗り候補が落選している」
このように、ビジネスコミュニケーションにおいては、先に結論を挙げ、理路整然とその根拠を説明することで、説得力を持ったプレゼンや報告を行うことができます。
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ビジネスにおける「帰納法」のポイント
帰納法では、複数の観察された事実や意見から共通するものを見つけ出し、結論を導き出すため、その結論は推測に頼っています。
すなわち「おそらく〇〇であろう」ということは、100%正しい結論であると言い切ることはできません。
推測には、個人的な判断が介入します。
よって、人により解釈が異なる場合があります。
例を挙げてみましょう。
「シニア世帯が都心へ移り住んでいる」、「夫婦世帯が都心へ移り住んでいる」、「独身世帯が都心に移り住んでいる」→ある人は「利便性を求めて都心に人が集まってきている」と結論を出し、またある人は「流入超過となり、公共機関のサービスが追いつかない」と判断し、結論付けます。
一方で「吉田家の嫁は、朝早くから夜遅くまで、一生懸命働くキャリアウーマンである」、「吉田家の嫁は、毎夜、駅前のフィットネスジムに行って、汗を流している」、「吉田家の嫁は、副業で化粧品のセールスをやっており、こづかいを稼いでいる」→ある人は、「吉田家の嫁は、よく働き、バイタリティあふれる人である」とプラスの結論を持つかもしれません。
また姑は、「嫁は、全く家の仕事をしない怠け者である」とマイナスの結論を持つかもしれません。
ともに、どちらとも間違いとはいえない論理展開をしていますが、伝え手と聞き手との間で納得していなければ、不適切な論理展開であるといえます。
逆にいうと、伝え手と聞き手の両者が納得できる論理展開であれば正しいということになります。
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