もし自分が冤罪(えんざい)で犯人にされてしまったら?…

2007年公開の映画「それでもボクはやってない」…
2001年公開の映画「日本の黒い夏─冤罪」…
これらは実際に日本で起きた事件、それも冤罪をテーマにしています。

さて…あまり考えたくないことですが、もしあなたが冤罪で犯人にされてしまったら?…
今回はそんな決してあってはならない、「冤罪(えんざい)」に関するお話です。




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もし自分が冤罪で犯人にされてしまったら?…


冤罪(えんざい)とは、無実の人が裁判によって有罪となり犯罪者にさせられることです。
戦後の冤罪事件(死刑判決)には、愛知・吉田翁事件(強盗殺人・昭和38年再審無罪確定)、熊本・免田事件(強盗殺人等・昭和58年再審無罪確定)、香川・財田川事件(強盗殺人・昭和59年再審無罪確定)、宮城・松山事件(強盗殺人・放火・昭和59年再審無罪確定)、静岡・島田事件(強姦致傷・殺人・昭和63年再審無罪確定)などがあります。

こうした冤罪事件は殺人罪に問われた場合だけに限らず、事件数の多い窃盗や暴行、傷害などでも起きることが考えられます。
無実の者に有罪の判決が下されたというような重大な誤りがある場合には、非常救済手続きとして再審制度があります。

ただし、再審は法律で定められた理由がある場合のみ可能です(刑事訴訟法435条、436条)。
特に重要なのは435条6号の規定で、これには「…無罪…を言い渡すべき明らかな証拠を発見したとき」と規定されています。
例えば、有罪判決が確定した後に真犯人が検挙されて有罪の判決が確定した場合などです。

また、必ずしも無実が明らかである必要はなく、新しい証拠により、有罪が疑わしいときには再審の請求ができるとされています。
(最高裁・昭和50年5月20日決定)。

再審の手続きは、原判決を言い渡した裁判所に対して再審の里立てをします。
そして、再審開始の理由があると判断されれば、再審開始の決定がなされ、審理が開始されます。
その後の手続きは、通常の刑事裁判と同様です。

無罪の判決を受けた者は、それまでの拘留、拘禁に対して補償を受けることができます。
刑事補償法に、その要件、手続き、補償額などの規定があり、死刑の場合の補償額は3000万円以内+財産的損失額、拘留・拘禁の場合の補償額は1日1000円以上1万2500円以下となっています。

冤罪・再審の問題は、素人ではなかなか困難です。
専門家に支援を依頼することが大切なのです。

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