軍艦島…石炭の埋蔵量はゼロになっているわけではない件

長崎県は長崎港から南西約19㎞の海上に存在する端島(はしま)…
周囲をぐるりと塀で囲った独特の形状が軍艦に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるこの無人島は、映画の撮影に使われる他、2009年の上陸解禁をきっかけに観光スポットとしても人気を集めています。

元々は明治から昭和にかけて石炭採掘のために開発された島で、最盛期の昭和35年(1960年)には、480m×160mほどの狭い島内に5200人もの住民がひしめき合っていました。
当時の人口密度は東京の9倍で世界一…

日本初の鉄筋コンクリート製集合住宅が建設されたのもこの島です。
他にも学校や病院、映画館までそろった都会的な生活が可能で、小さな子供を持つ家族連れも多かったのです。

昭和49年(1974年)の閉山以降は無人島となっています。
閉山の理由については、テレビCMなどで宣伝されたこともあり、石炭を掘り尽くしたからだと思っている人も多いようですが、実はそうではありません。

世の中のエネルギー資源の主力が石炭から石油に移行し、需要が減ったことが原因なのです。
島には石炭以外の産業がなかったため、閉山とともに2200人の住民が去り、無人となりました。
2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つとして世界文化遺産に登録されています。

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