「ペットボトル」と「プラスチック」のリサイクル問題

目次

「ペットボトル」や「プラスチック」…と言われると「リサイクル」というキーワードを思い描く人は少なくないでしょう。
しかし「ペットボトル」と「プラスチック」のリサイクル問題には、私たちが誤解していることが多々あったのです…




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「ペットボトル」のリサイクル問題



1995年、政府はペットボトル容器、ガラス容器、プラスチック容器、紙製容器といった容器包装について「容器包装リサイクル法」を制定しました。
簡単にいえば捨てられていた容器を有効活用しましょうという法律です。

ペットボトルのリサイクルについては「容器包装リサイクル法」が本格的に始動した1997年から始まったのですが、リサイクルしているから、すぐに捨てても大丈夫だという国民意識とペットボトルの便利さが合わさってペットボトルの大量消費が増長されてしまい、2014年のペットボトルの消費量は56万トンを超えるまでに膨れ上がってしまっています。

消費量が増えてもリサイクルされていれば問題がないのですが、実際にリサイクルされているのは6%ほどだけで、残りは燃やされたり、海外に売られたりしているが実情なのです。

驚きはそればかりでなく、ペットボトルの回収、選別には年間税金が417億も使われているのです。
さらにペットボトル回収費用は1キロ当たり405円かけ、それを40円から50円で外国に売っているので商業的には赤字なのですが、回収費用は税金なので儲かっているといった自治体などもあるというのです。

元々ペットボトルは新品をつくればペットボトル2本分の石油がかかり、リサイクルからつくると3.5本分かかるもの…
資源節約という意味ではリサイクルは本末転倒もいいところなのです。

そのため実はペットボトルは石油製品の中でもよく燃えるので、有意義に使った後は生ゴミと一緒に燃やすのが最も効率的であるし、環境にも良いことだったりするのです。




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「プラスチック」のリサイクル問題



さて、ここではペットボトルからもう少し枠を広げて、プラスチックのリサイクルについても見てみましょう。
プラスチックの日本の生産量は年間1400万トンです。

プラスチックは、プラスチックそのものだけでなく家電製品や自動車、そして一般の包装、容器と大きく3つに分けられます。
この中の包装、容礬に使われるプラスチックは400万トンとなるのですが、リサイクルできているのは1~2%くらいのもので、後は焼却されてしまっています。

それなのになぜか焼却されたものまでがリサイクルとしてカウントされてしまっているのです。
これは焼却した時に発生する熱を暖房や温水プールなどに使っているためなのですが、法律上このようなことでもリサイクル扱いになってしまうからなのです。

そのため市民感覚としては納得できる話ではないのですが、発表されるリサイクル率だけは高くなってしまっているのです。
こんな計算を許しているのは、恥ずかしいことに日本だけです。

包装や容器に使われるプラスチックがリサイクルできないわけは、プラスチックの種類が多いことにあります。
石油を分解するとポリプロピレンやポリエチレン、ポリブテンなどといったものができるのですが、それぞれに用途も性質も違うものを30種類くらい組み合わせて使用するために、いざリサイクルしようとしても元には戻らないのです。

鉄のようなものの場合は一度溶かしてしまえばある程度はもとに戻すことができますが、プラスチックのように鎖状のものが絡み合ったような特殊な構造をしているものは、薬品を用いたり、加熱をしたりすると鎖が崩れていってしまうのです。
これを完全にもとの姿に再生する技術は現在まだ確立されていません。

現実に包装や容器のプラスチックの回収は480万トン…
そのうち物質的なリサイクルができているのは8万トンしかありません。

「プラスチックを燃やすと炉が傷む」といわれていたのは、古い焼却炉のためプラスチックを燃やすと焼却温度が炉の耐久温度を超えてしまった昔の話で、現在では高温に耐えられる焼却炉ばかりになっています。

高温焼却炉なら、プラスチックを焼却すると発生するといわれる有害物質も完全に分解することができるとされています。
今は新しい炉に替えることこそが問題解決の鍵だともいえるでしょう。

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