テーラーの「科学的管理法」とはどんなものだったのか?
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経営学の源流を溯ると、工場における作業の管理法に行きつきます。
1903年に「テーラー(フレデリック・ウィンズロー・テイラー)」が「科学的管理の諸原則」を発表し、これが今日の経営学の基礎となったのです。

テーラーは1870年代に工場の工員となり、35歳まで製鋼所で働きながら夜学に通って工学士の資格を得ています。
1880年代のアメリカは不況や労使対立が激化した時代で、工場における生産能率の低下が問題になっていました。

テーラーはその状況を、こう語っています。
「職に従事している工員たちは、言い伝えや見習いで上手になったのである。本によって学ぶのではなく、100年前と同じやり方で覚えるのである。徒弟は他の工員のやっているのを見て覚える。上手な工員の真似をする。ただ近くにいる工員のやっている最良の方法を真似るだけである」…
当時の工場管理の重要な問題は、意図的な生産制限と怠業にありました。

この時代の賃金体系では、工員が急いで出来高を増しても、ゆっくり働いて出来高を制限しても賃金は変わらなかったのです。
そのため、一日の標準的な作業量を確定する必要がありました。

そこで、テーラーは最良の作業方法と最良の工具を確定するために、職人的勘に基づく目分量や職人的な感覚ではなく、作業の正確な動作と作業時間の研究を徹底的に行ったのです。




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その具体的な事例として、銑鉄の運搬作業に関するものがあります。
この作業では、平均的能力をもつ作業員が選ばれ、一定の間隔をおいて働き、監督者は時計を見ながら、「銑鉄をとって歩け、腰をかけて休め、歩け」といったように、銑鉄を運ぶ作業を観察し、ストップウォッチで計測される作業時間や休息時間と休息のとり方の研究が行われました。

こうして作業員の一日分の仕事量、仕事の内容が分析され、それぞれ適切な方法、道具の使用、適切なタイミングが確定され、仕事は標準化された一連の反復作業の集合体となったのです。

ここからテーラーは、次のような管理手法を提示しています。

〇配置する人材の選別を厳密に行い、採用後に訓練し、熟練させる。標準化された方法を遵守しない場合は解任する。
〇管理者は援助と監視を怠らず、標準化された作業に習熟する者にボーナスを支払う。
〇現場担当者と管理者は、仕事と責任を均等に分配して協働すること。

こうして、従来の万能職長制度が廃止されました。
そして、作業の最適労働者が選別採用され、教育訓練されてタスク(課業)の達成度に基づいた賃金が支払われることになったのです。
もはや怠業が生じることもなくなったのです。

こうしてテーラーによる工場の科学的管理法は、アメリカの生産システムを近代化するきっかけとなり、その後近代経営学へと発展・進化していったのです。




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