コトラーの定義する「マーケティングコンセプト」とは何か?

目次

「マーケティング(marketing)」…
意味としては、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念だとされています。

ここでは中でもフィリップ・コトラー(Philip Kotler)の定義する「マーケティングコンセプト」について、お話したいと思います。




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マーケティングとは何か?


モノが売れない今の時代こそ、どのような業種のどのような部署に所属しているビジネスマンでも、マーケティングの発想と知識は必要不可欠といわれます。
しかし、そもそも「マーケティング」とはどのようなものなのでしょうか。

米国のマーケティング研究の第一人者であるフィリップ・コトラーは、著書「マーケティングマネジメント(第7版)」ダイヤモンド社(1996年)の中で、マーケティングを次のように定義しています。

マーケティングとは、価値を創造し、提供し、他の人々と交換することを通じて、個人やグループが必要(ニーズ)とし欲求(ウォンツ)するものを満たす社会的、経営的過程である」

簡単に説明をすると「ニーズ」とは、人間生活上必要なある充足状況が奪われている状態のことをいいます。
「ウォンツ」とはそのニーズを満たす(特定の)ものが欲しいという欲望のことをいいます。
コトラーは、このニーズとウォンツを満たすものが製品であると説明しています。

ここでいう製品とは、物やサービスだけでなく、何らかの活動、人間、場所、アイデアなどを含んでいます。
例えば「のどが渇いた」というのが「ニーズ」です。

また「冷たいものが飲みたい」というのが「ウォンツ」です。
そして「ビール、コーラなど」が製品です。

しかしこれだけでは、マーケティングは成立しません。
買い手は「貨幣的な価値」を提供し、売り手は「満足という価値」を提供することになります。
つまり、マーケティングは、価値交換過程であるといえます。




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マーケティングコンセプトについて


企業のマーケティングにおける考え方の拠り所となるマーケティングの概念は、時代とともに変化をしています。
その変遷は以下の通りです。

◇生産志向コンセプト・・・生産能率の向上と広範な流通に努力を集中し、企業にとって合理的な経営の実施を重視する考え方。需要が供給を上回っている場合等に当てはまります。

◇製品志向コンセプト・・・良い製品を作ることと常にその改良を行うことにエネルギーを集中するという考え方。顧客のニーズよりも、製品に関心を向けています。

◇販売志向コンセプト・・・消費者は放っておいたら、製品を買わないので、消費者に対し、攻撃的な販売とプロモーション努力をする(「マーケティングー販売」)という考え方。

◇マーケティング志向コンセプト・・・企業目的の達成のために、ターゲット市場のニーズやウォンツを明確にし、望ましい顧客満足をより有効に能率よく提供するという考え方。市場からニーズをつかみます。

◇社会志向コンセプト・・・企業の利益と、消費者の満足、社会の利益、との調和を図っていく考え方。

また、混同されがちな「販売」と「マーケティング」には以下の違いがあります。
「販売」考えの出発点は工場です。

そして「製品」に注目し、売ることとプロモーションを手段に、売上数量拡大による利益獲得を目的としています。
つまり、「いかに売るか」を考えます。
「マーケティング」考えの出発点は市場です。

そして「顧客ニーズ」に注目し、顧客満足による利益獲得を目的としています。
つまり、「いかに満足を与えるか」を考えます。

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