「ホイーラーの法則」は、マーケティング分野で多くの示唆を与えています。
中でも有名なのは、「ステーキを売るな、ジュー・ジューと焼ける音を売れ(Don’t sell the steak, sell the
sizzle)」があります。
ちなみに英語では、この「ジュー・ジュー」と焼く音を、シズル(sizzle)と呼んでいます。
つまり、ステーキを客に勧める際には、単にそれが美味しいからとか、柔らかいからと説明するよりも、それが焼ける「ジュー・ジュー」という音を聞かせて客の心を捉えよ…
と主張したのです。
美味しいからなどといった抽象的な表現よりも、その生々しい音の方が食欲をそそるので、はるかに客の購買心を掻き立てるのですね。
アメリカのエルマー・ホイーラーが、これを唱えたのは約70年前ですが、今でも古典的なマーケティングの基本手法として多く引用され、商品を売る時の鉄則となっています。
ホイーラー氏は、これ以外にも顧客を説得するための数々の名言を述べています。
たとえば、アメリカ大手石油会社、テキサコ社(現・シェブロン社)は、数多くのガソリン・スタンドを経営していました。
来客時、店員はいつも、「オイルをチェックしましょうか?」と尋ねていたが、大半の客からは「ノー」と断わられていたのです。
彼は同社の求めに応じて、むしろこれを、「お客さん、オイルは今のままで十分でしょうか?」と聞くべきだと提案したら、客からのオイルの注文が急増したといいます。
さらに、シェービング・クリーム・メーカーのバーバソル社が、製品を売り出した時に使っていたキャッチフレーズの、「髭剃り時間を6分に短縮しよう」を、ホイーラー氏が、「髭剃り時間を半分にしませんか?」に変えさせたところ、売上げが300%も伸びたといいます。
このように言葉の表現を変えるだけで、客を説得することができるのです。
エッジの効いたビジネスマンであれば、このホイーラー氏のマーケティングに繋がる考え方は学んでおいた方が良いでしょうね。
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