氷山というのは、海面から出ている部分はほんの一端にすぎません。
海面の下にはその何倍もの大きさの塊が隠れています。
こんな話を聞くと、まるで「人間の能力のあり方」を形にしたようです。
日々の仕事で顕在化できる能力は、その人が持つすべての実力のほんの一端にすぎません。
これはいわゆる「形式知(けいしきち)」と呼ばれる能力の部分で、まさに「氷山の一角」です。
そして、海面に隠れた部分、つまり「暗黙知(あんもくち)」に相当する能力の部分が大きければ大きいほど、顕在化する実力も大きくなります。
では、自分の氷山をより大きく育てるには、どうすればいいのでしょうか?…
もっとわかりやすくいえば、「暗黙知」をたくさん身につけるにはどうすればいいのでしょうか?…
答えは簡単です。
極寒の地にこそ大きな氷山ができるように、あなたも積極的に、あなた自身を厳しい状況に追い込むのです。
寝る間も惜しんで働け!…などとはいいません。
むしろ逆です。
効率性、生産性を徹底的に求めるのです。
一つの仕事に厳しい「デッドライン」を課し、その中でいかに質の高いものを仕上げられるかに挑戦するのです。
他人に頼らず、上司に甘えず自分の力で乗り切っていく努力をするのです。
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仕事において「気がついたこと」は、どんな小さなことでもすべてに手を打っておく…
これが基本です。
ただし、これを実行するのは決して簡単ではありません。
まさに、軍隊の訓練にも通じる「過酷さ」があることを覚悟してください。
たとえば、軍隊の訓練の一つに「ベッドメイキング」があります。
シーツにシワ一つできることも許されません。
身のまわりの整理整頓や身支度を、素早く的確に行なえるかどうかについても、非常に厳しくチェックされます。
その方法を具体的に教えてもらえることはなく、兵士たちは指揮官の要求に応えるべく自分の頭で考え、編み出していきます。
これを仕事に当てはめるなら、いわゆる「仕事術」と呼ばれるものです。
小手先のテクニックを身につけるためだけに貴重な時問を割くのは、あまり感心しませんが、仕事の効率を上げるためのコツを身につけることにつながるなら、それは大切です。
たとえば、メールボックスがいつもすっきり片づいている…
パソコンのデスクトップに余計なアイコンが一切ない…
デスクの上には今日片づける仕事だけが用意されている…
そういう状況を常につくる行動力を、徹底的にできるかどうかなのです。
「散らかってるな」と少しでも感じたら、即徹底的に片づける…
ただそれだけのことでも、仕事の効率に格段の差となって表われます。
それこそ、「集中度が上がる環境をつくる能力」です。
基本的なことを何度も何度もあきるほど繰り返し、徹底的に叩き込んで、体に染み込むまでやる…
兵士にとっては、訓練によって基本を徹底的に習うことが、非常事態に直面したときに生き残る可能性を高めるための唯一の方法なのです。
同じように仕事も、遊びも、スポーツも、「暗黙知」をいかに補完できるかが、上達できるか、下手なままで終わるかの分かれ道になるのです。
だからこそ、どうせ仕事をするならば、行動力がある人かのように仕事をしていくべきなのです。
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