ビジネスにおける「演繹的思考」とその具体例について

目次

ビジネスの世界では様々なものの考え方(論理的志向)が要求されます。
なぜなら、考え方一つで結果・成果が大きく変わってしまうことがあるからです。

今回はビジネスにおける「演繹的思考」とその具体例について、お話したいと思います。




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ビジネスにおける論理展開の重要性


あなたは食品会社の新規事業部に配属された新入社員です。
そしてあなたは初めての新規事業プランとして回転ずしからヒントを得た回転居酒屋の多店舗展開を提案し、具体的なビジネスプランを書き上げているとします。

プランを数字に落とし込み、現実的に初年度から黒字が出る、と採算性を判断しました。
5億円の投資に対して、7千万円の利益が得られるこの事業計画を持ち、詳細な採算性及び3年後までのキャッシュフロー計画を提案書に書き込み、自信満々で新規事業部長に提出しました。

計画も申し分なく、非常に丁寧に詳細に分析がなされた優れた事業プランでした。
しかし部長の判断は「NO」でした。

これは一体どうしてでしょうか?…
答えはごくシンプルです。

「投資利益率20%を超える事業以外は参入しない」という大前提の上に基づいていなかったからです。
あなたの事業プランでは、投資利益率は、7千万円÷5億円=14%です。

「投資利益率20%を超えなければ没プランである」→「回転居酒屋の事業プランの投資利益率は14%である」→「回転居酒屋プランは没プランである」という思考順序で納得がいきました。
実際には、事業プランが優れたものであれば、どうすると20%に達するか、という問いに対する分析と答えを重ね、審査可能なプランへと改善することになります。
このようにメッセージを論理的に関連付ける方法を論理展開といいます(この例は演繹法)。




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ビジネスにおける「演繹的思考」とは?


演繹的な論理展開(演繹的思考)は、通常、いわゆる三段論法の形で表現されます。
これは、まず事実(前提)があって、そこから解釈を通して結論が導かれる論証形式です。

そして、演繹的な論理展開は以下の三つの要素を持ちます。

①世の中に実在する事実(ルール)
②その事実に関連する状況(観察事項)
③前記の二つの情報が意味すること

そしてこの三つの要素を使って次の順序で論理を展開していきます。

①まず世の中に実在する事実・前提(ルール)を述べる
②その事実に関連する状況(観察事項)を述べる
③前記二つの情報が意味することを解釈し、述べる

つまり、観察事項をルールと照らし合わせ、観察事項からルールにコメントし、「それゆえに」という言葉で結論を導きます。
例で挙げた回転居酒屋のケースでは、①実在しているルールが、「投資利益率が20%超でなければ投資は行わない」、②事実に関連する観察事項が「回転居酒屋事業の投資利益率は14%である」、➂前記2つの情報を解釈し述べる「よって、回転居酒屋事業には投資を行わない」というロジックになります。

また「気温が20度を下回るとヨーグルトが売れる」という事実の下、「明日、気温が20度を下回ることが確実」な場合、結論として「明日はヨーグルトを仕入れる」という判断ができます。
このような考え方こそビジネスでも活かせる演繹的な論理展開(演繹的思考)となるのです。

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