言うは易し、行なうは難しという諺があります。
「そう、まさしくその通り!ウチの上司なんかは朝礼暮改…言っていることと、やっていることがまったく一致しないのだから…」
と、こんな会話がでる職場に決まって言えることが一つあります。
それは「コミュニケーション不足」です。
言うことと行なうこととの間には必ずギャップがあるのです。
そのギャップをどう埋めるかを、衆知を結集させなければならないのです。
無能と称され、言うこととやることが一致しないと言われるリーダーのほとんどが、このギャップを埋める手続きを省いてしまっているのです。
そのため、ギャップを埋めるためのコミュニケーションというプロセスを省略してしまい…
言うことと、やることのギャップがいっそう鮮明になってしまうのです。
例えば…
コストダウン、10パーセントの目標数値が厳然としてあるとしましょう。
上司は、そのことを口を酸っぱくして語り続けます。
なのに、その上司は交際費という名目で、一晩にコストダウン10パーセントの目標値以上の金を使ってしまう…
「一体、これはどういうことだ?」となるわけです。
コストという概念は、遠く江戸時代に遡ります。
井原西鶴は、コストは次のように三分類しています。
➀始末・・・原価そのもの。これはプラス、マイナスで勘案しなければならない。
➁算用・・・コストのマネジメント。儲かる面と、損する面とを帳尻合わせして、損を少なくして、儲けを多くする算段に出なければならない。
➂才覚・・・トータルなコストマネジメント。一部で損しても、全体で儲けを上げればいいとする考え方。
あなたの上司は、どのレベルで行なっているかをしっかりと見定めなければならないのです。
始末レベルなら、うるさい上司で済みます。
算用レベルなら、なかなか穿(うが)ったことをいう上司だとなります。
問題は才覚レベルで、言うことと、やることが違った場合の対処法が難しいのです。
その際には、次のポイントで抑えてみるしか手はないでしょう。
➀損得については、目下、どのような状態にあるかの分析を的確に行なってみる
➁言うことを信じて行なうことで、問題が解決をみるか否かの試算をしてみる
➂言うことは理解できても、その上司に対する意識面での評価が伴うかどうかを判断してみる
➃周囲、他部署、競合、社会的趨勢(しゃかいてきすうせい)からみて、言っていることと、それを行なうことによる結果予測を的確にする
言うだけの根拠があることを念頭に、言い分をどれくらい、具体的レベルに落とし込めるかをあらかじめ見定めることが必要となるのです。
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