ケインズを批判したシュンペーターの「景気循環論」とは?
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20世紀前半を代表する経済学者としてケインズと並び称されるシュンペーターは、ケインズのもっとも痛烈な批判者でもありました。
理論的な立場はもとより、政治の世界で積極的に政策に関与したケインズに対して、理論体系の構築に全精力を注ぎ込んだのがシュンペーターだったのです。
同年生まれにして、あらゆる意味で対照的な二人でした。

そのシュンペーターが40代の終わりにハーバード大学の招きを受けてアメリカに渡り、完成させた大著が「景気循環論」です。
その副題は「資本主義過程の理論的・歴史的・統計的分析」でした。

ここでシュンペーターは、景気循環のメカニズムを分析するために、それまでのキチン循環、ジュグラー循環、コンドラチェフ循環という異なる景気循環のプロセスを複合的にとらえたのです。
そして、景気循環の本質は、外的な要因による変化ではなく、企業家の革新による自律的変化による現象だという考えを導き出しました。

すなわち、経済発展は生産要素の革新から生まれ、その革新による攪乱作用が均衡状態を回復するとき、新しい価値体系と大量の生産物が生まれます…
このダイナミックな景気循環の繰り返しの中で、資本主義は進歩を遂げてきました。

しかし、その進歩の中で、大企業の出現、企業組織の官僚化、革新の組織化といった合理化も避けがたく進展してきました。
それが経済の社会主義的管理と企業家個人の能力の低下、衰退を招く…
そして、それはやがて、資本主義経済の崩壊に向かうだろうと予見したのです。

ハーバード大学でサムエルソンやガルブレイスら、のちの一流経済学者を育てるなど、シュンペーターの果たした役割は非常に大きいと言われています。
また、特に企業家の革新性を重要視した経済の見方は、今も企業家たちの間で幅広く支持されています。
そのスケールの大きな理論は、20世紀後半に爆発的な発展を遂げた世界経済を解読するための遺産を数多く残しました。

■景気循環の「発見」の歴史■

■ジュグラー(1880年代)・・・物価、利子率の変動などから、経済活動には7~10年周期の循環運動があることを発見

■ヘルデレン(1913年)・・・物価には上昇と下降に数十年かかる長期波動があることを発見

■キチン(1920年代)・・・平均40カ月の周期をも걔環があり、1つのジュグラー循環には2、3個の小循環があることを発見

■コンドラチェフ(1922年)・・・卸売物価指数、公債価格、賃金率、輸出入額、石炭生産量、銑鉄生産量などを分析して、50年前後の長期波動を発見

■クズネッツ(1930年)・・・商品の生産量と価格の系列からトレンドを除き、20年を少し上回る平均周期をもった循環を発見




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