私たちにとってとても身近な存在である石油…
ビジネスにおいても大きな存在であり、今や石油は私たちの生活になくてはならない必要不可欠なものです。
そんな身近な存在である石油ですが、石油とは何か?と聞かれた時に即座に答えられる人は意外に少ないかもしれません。
そして、そもそも石油はどうしてできたのかをご存知でしょうか。
今回は意外に謎が多い石油について考えてみたいと思います。
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そもそも石油って何からできたの?意外に多い石油の謎とは?!
「燃える水」の存在は、かなり昔から、世界各地で知られていたようですが、石油が産業になるのは20世紀に入ってからのことです。
石油とは、「油」の一種ですよね。
では、油とは何なのか。
辞書的に定義すると、「鉱物や植物・動物などから採れる可燃性の物質」となっています。
水とは相分離し、液体のものもあれば固体のものもあります。
そのなかで、地中からわき出てくるものが、石油です。
今日、石油ほど人々の生活にとって身近なものはないですし、巨大なビジネスもないのですが、その割には、石油については謎が多いのです。
その埋蔵量についても諸説ありますし、現在採れている所以外にも眠っている場所があるのかもしれません。
そしてそもそも、石油がどうしてできたのかも、よく分かっていません。
石油の正体として諸説あるのでここでいくつか紹介したいと思います。
石油の正体として、最もよく知られているのが、「生物由来説」あるいは、「有機成因論」と呼ばれるもので、石油を「化石燃料」とする説です。
動物や植物の遺骸が土砂の堆積層に埋没し、100万年以上にわたり、地中の底で高熱と高圧にさらされた結果、石油になったという説。
つまり、石油の正体は有機物だといいます。
この生物由来説に立つと、石油資源は有限で、いずれは枯渇すると考えられます。
その逆に、「無機成因論」というのもあります。
惑星が誕生する際に生まれる大量の炭化水素が、高熱・高圧を受けて変質したのが石油だとする説です。
この説だと、石油はそう簡単には枯渇しません。
さらに、地球上のどこでも、深く掘削すれば、石油採掘が可能だと考えられるのです。
最近では、従来は石油がないとされた地域でも、超深度油田から原油が採掘されているので、この説も有力になってきています。
第3の説が、「石油分解菌説」。
これは日本で唱えられている説で、その名の通り、石油を作る菌があるというもの。
しかし、まだ、その菌の正体までは分かっていません。
もし本当に石油をつくる菌があるのなら、石油の増産が可能になるわけで、枯渇する心配はなくなります。
さらには中東などに依存している石油を日本で生産できることになり、世界の経済地図も激変します。
このように諸説あるということは、逆にいえば、石油がなぜ、どのようにしてできるのか、誰も確実なことは分かっていないということです。
その、一方で、成分の研究は進みました。
石油が本格的に採掘されるようになったのは、19世紀半ばからで、巨大産業になるのは20世紀になってから…
つまり、産業としての歴史は短いのです。
その100年の間に、石油は人類の産業と生活に欠かせないものになりました。
石油は、その成分のほとんどが炭化水素で、硫黄化合物、窒素化合物、金属類も含まれています。
地中から採掘されるのは、「原油」。
これを精製していくことで、さまざまな製品になります。
その精製の仕組みそのものは単純です。
ドロドロとしている原油を350度前後に加熱すると、一部が気体になります。
これを石油蒸気といいます。
この石油蒸気を、常圧蒸留塔という高さ数十メートルの塔に下から吹き込みます。
石油蒸気は上昇していくわけですが、高くなればなるほど、温度が下がっていきます。
温度が下がると、気体は液体になり、その境界線が沸点で、水の場合は、摂氏100度で気体になります。
石油蒸気に含まれている成分は、それごとに沸点は異なります。
そこで、石油蒸気が塔を上っていく過程で、まず比較的熱いうちに軽油成分が液体となり、次に、灯油になる成分が液体になり、さらに冷えていくと、ジェット燃料、ナフサ、ガソリンの順に液体となり、最後まで気体だったものが、LPガスになります。
このうちのナフサが、化学繊維、プラスチックなどに使われています。
一方、熱しても350度くらいでは気体にならない液体の部分もあり、それを「残油」といいます。
この残油からつくられるのが、「重油」や「アスファルト」。
石油は、エネルギーだけでなく、素材の原料でもあるのです。
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