急にのどが渇いたときにあると便利なのが自動販売機ですよね。
さて、そこで買うことができる缶入り飲料を思い出してください…
たとえば350ミリリットル缶のサイズは、幅が約6.5センチメートル、高さはその倍の12センチメートルほどであります。
このサイズと形は世界の多くの国で採用されているものですが、なぜ飲料メーカーはこの形にしているのでしょうか?
実は同じ内容量の缶を、もっと高さを低くして直径と同じくらいの寸胴型にすれば、缶の原材料であるアルミニウムの使用量が少なくなり、生産コストは抑えることができるのです。
それなのに、わざわざ費用をかけてまで縦長のデザインを採用しているのには「水平垂直の錯覚」という人間の目の錯覚を利用して売り上げアップを狙うメーカーの意図があるからなのです。
人間の目の錯覚をわかりやすく説明するテストとしては次のようなものがあります。
同じ長さの2本の線を、片方は縦にして、もう片方は横にして「どちらが長いですか?」と見せると、ほとんどの人が「縦の線が長い」と答えます。
これこそがまさに水平垂直の錯覚なのです。
つまり飲料メーカーは、この目の錯覚を利用しているのです。
背の高いデザインの缶の方が中身が多く入っているように見える…
という消費者の心理をついて、わざわざコストをかけてまで缶のこの高さを維持しているのです。
このような人間の目の錯覚は「錯視」と呼ばれ、アートや建築のデザインでは、奇をてらった個性的なデザインとしてよく利用されています。
消費者はふだんの生活の中でも、知らないうちにこのような錯視デザインの効果によって商品の購入へと誘導されているのです。
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