小学校の同窓会に出席し、久しぶりに友人たちと再会したA君…
初恋談義で盛りあがった席で「3年のとき同じクラスだったBちゃんだよ。細面(ほそおもて)の」と自分の初恋相手を告白しました。
すると、「えっ、Bちゃんって馬面(うまづら)の子だろ?」と、やはり同じクラスだったC君がツッこみました…
A君は、家に帰るとすぐ、押し入れにしまいこんであったアルバムを取り出し、小学校のときのクラス写真のページを見たのです。
すると、そこにはA君の記憶の中にあるBちゃんはいませんでした。
そう、BちゃんはC君の言う通り、馬面だったのです…
このA君のように、初恋相手のイメージは、往々にして美化されやすいものなのです。
では、それはなぜなのでしょうか?…
人間の記憶の中で、自分のそれまでの人生をふりかえって再生する個人的な記憶を「自伝的記憶」といいます…
この記憶は必ずしも正確に再生されず、つらい記憶や楽しくない記憶は無意識のうちに抑圧され、創作が加わりがちなのです。
たとえば、中学や高校の部活動の思い出も、卒業直後には楽しかったこと、つらい練習のこと、その両方を同じように記憶しています。
しかし「部活は楽しかった」と自覚すると、次第につらい思い出は消失し、楽しかった思い出だけが、記憶に残っていくのです。
初恋の記憶も、この自伝的記憶に含まれます…
A君の初恋相手のBちゃんは、控えめでやさしい女の子でした。
その雰囲気がA君の頭の中で、長い顔を細面(ほそおもて)といういいイメージに変換せてしまったというわけなのです。
ですので、初恋相手とはある程度の覚悟をもって再会することが望ましいのでしょう。
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