接待ゴルフで怪我…「労災」はおりるの?判例から検証してみる

目次

ビジネスマンはどんな部署においても社内・社外で営業が必要です。
中には接待麻雀や接待ゴルフなどで得点を稼いでいる人も少なくでしょう。

ただし「接待」はあくまで「接待」…
いくら麻雀やゴルフが好きでも心から楽しめるというものではありません。

そんな中、ただでさえ楽しくない接待ゴルフにおいて怪我をしてしまったら…
「そんな時に労災がおりるの?」という話を判例を交えて考えてみたいと思います。




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接待ゴルフで怪我したら労災おりるの?


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接待ゴルフでけがをした場合には、労働の適用とはならないと考えるのが良いでしょう。
労災が適用されるのは業務上の負傷した場合です。

仕事として接待ゴルフをしていると本人が考えていても、厚生労働省の認定基準でもゴルフの主な目的は親睦と捉えられており、業務上必要不可欠であるとはみなされません。
業務上、ゴルフが必ず必要なもので、それが実際に業務中であったことが絶対に認められないとは言い切れませんが、かなり難しいでしょう。

接待でゴルフをプレーするのではなく、大会などを運営するスタッフで、かつそれが会社として開催する業務中のものであれば労災と認めらえる可能性は高いと考えられます。
重要な点はゴルフか否かではありません。
それが業務中の負傷なのか、業務外なのかです。

参加するゴルフが業務としてであるのか、プレーしていたのは業務中なのか、業務にとって必要不可欠なものなの、そしてそれに関わる地位、立場の者が会社の特命として指示していたのかがポイントとなります。




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接待ゴルフで労災がおりた判例


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まず、接待ゴルフで怪我をして労災が適用された判例はほとんどありません。
特に休日などの業務外でプレーした場合は基本的に認定されません。

下記は、ほぼ例外的な判例といえます。

(東京労働基準局・労災保険審査官平9.3.1)
営業の社員が、取引先とのゴルフコンペに管理者の指示で参加するためにゴルフ場へ向かう途中で交通事故にあって亡くなった事例がありました。
これは、顧客との商談も兼ねたゴルフコンペでしたが、労働基準監督署は労働災害と認定しませんでした。
しかし、その後の判決で「ゴルフ・コンペは仕事の一環」とみなし得るとし、労働基準監督署の判断が覆されました。

当事例については、ゴルフコンペが顧客とも商談を兼ねており、参加も会社の管理者から支持を受けていたという点が重要です。
同じような状況であっても、ゴルフコンペ自体が親睦を深めることは趣旨であったら、結果は異なっていた可能性が高いです。
少しずつ捉え方が緩和されている判例かもしれませんが、以前労災適用は難しいことに変わりはありません。




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まとめ


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接待をしているときにした怪我は、原則労働災害とは認定されません。
これは、ゴルフに限らず飲み会でも同様で、業務時間とみなされないためです。

怪我の度合いなどは無関係で、労働災害か否かのポイントは業務中であるか、また業務に起因することでした怪我なのかです。
業務中に、業務とは全く関係のない喧嘩で怪我をした場合も労働災害とはみなされません。

ゴルフ中に負傷した場合も、そのゴルフが業務であったのかが最大のポイントです。

ゴルフは原則、業務とみなされていません。
したがって、この原則を超えるだけの根拠が必要となります。

ゴルフそのものが業務であり、かつ管理者の指示によって参加していたことが証明できれば、労働災害と判断される可能性はあります。
しかし、他の事例でもわかるように、接待ゴルフをしているなかでの負傷は労働災害と認められないことがほとんどなので、接待が多い方は別途任意のスポーツ保険などを検討するのが良いかもしれません。




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