なぜ残業代の出ない会社でサラリーマンは残業してしまうのか?

みなさんは「囚人のジレンマ」ということばをご存じでしょうか?
サラリーマンがサービス残業してしまう心理は、この「囚人のジレンマ」のカラクリと非常に近いものがあるのです。

囚人のジレンマとは、共犯の2人が別々に取り調べを受ける際…
「どちらか一方が自白すれば、自白した者の刑が軽くなり、しない者の刑が重くなる」という司法取引で、2人の犯罪者がとってしまう非合理的な結末のことをいいます。

互いに黙秘した場合は、双方が等しく軽い刑であり、2人にとって最も合理的であるにもかかわらず…
自分だけ自白してもっと刑を軽くしたいという欲望と、相方がしゃべってしまうかもしれないという心理が働き、必ず2人が自白を選び、双方が等しく重い刑を受ける結果になるという筋書きなのです。

さて本来、サービス残業は頑張っている姿を上司にアピールする手段であり、自分の評価が他人より上がってこそやる価値があるものです。
そこで、このことを囚人のジレンマに置き換えれば、自分だけが自白して刑が軽くなることに当てはまるのです。

しかし、誰もがサービス残業をするなかにあっては、身を削って残業したところで、たいして差がつきません…
むしろ、ここでサービス残業をしなかった場合は、自分の評価が下がることが予測されます。
つまり自白しないと自分だけ刑が重くなってしまうという囚人の心理と同じなのです。

結果としてサービス残業がやめられないジレンマに陥り、自分の評価を上げるためのサービス残業のはずが、いつの間にか自分の評価を下げないためのものにすり替わってしまっているのです。

いっそみんな揃ってサービス残業をやめてしまえば誰の評価も下がることなく楽になれるのですが…
組織というものはそう簡単にはいかないものなのです。

強い出世欲はなくても自分だけ評価が下がるのは誰だって嫌…
サービス残業をしてしまう裏には、そんな心理が働いているのでしょう。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

PR

ページ上部へ戻る