給与をもらって働くサラリーマンにとっては、まさにその給与がとても大事…
貰えることはもちろん、最低でも募集要項に書かれていた給与は支給されると思っている人が多いと思います。
しかし、募集要項と実際の給与が違った…
現実にはこのような事態も十分に起こり得るのです。
例えば大学の求人票に記載してあった「初任給」の欄には「初任基本給見込額は22万円」と書いてあったのに、採用辞令に書いてあったのはなぜか21万円…
会社の説明では、募集した頃はそのくらい出せる見通しだったのが、その後、業績が悪化し見込額を下回らざるを得なかったと言われました。
これは法律的にアリなのでしょうか?
当然、就職や転職にあたって、求人票に記載されている給与の額は、重要な検討材料になります。
しかし額面だけで就職先を決めてしまうと、思わぬ落とし穴があるで注意しなければならないのです。
求人票に記載されている賃金額はあくまで募集時点における「見込額」であること…
見込額である以上、業績悪化でその額を下回っても仕方がないことになるのです。
さらに注意すべきなのは、求人票に記載されている給与は、それが「見込額」と書いてあってもなくても、基本的には「見込額」とみなされるということです。
これに似た事案についての裁判例では、昭和58年に東京高裁で判決が出た「八洲測量事件」 があります。
判決では、「求人票記載額は『見込額』であり、最低額の支給を保障したものではなく、将来入社時の目標額である。」とされ、「誇大賃金表示など社会的非難に値する事実がなければ、労基法違反とはいえない。」としています。
雇入通知書に書いてあるのが労働基準法でいう労働条件(賃金)ということです。
就職・転職活動の際には、求人票の記載事項を鵜呑みにせずに、会社の業績や業界の動向などを注意深く見て判断する必要があるのです。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。