重要な会議やプレゼンテ―ションの時間が近づくと、まだ結果も出ていないのに「あまりよく寝てないからな…」、「昨日から風邪気味で、体調が万全じゃないんだよな」という“言い訳”をする人をよく耳にします。
このように、失敗した場合や満足な結果が得られなかったことを見越してあらかじめハンディを強調しておくことを「セルフ・ハンディキャッピング」と言います。
たとえば、前出のプレゼンテーションでライバルに契約を取られてしまったとしましょう。
本来なら、大いに自尊心を傷つけられるところですが、あらかじめ「よく寝ていない」、「体調が万全ではない」というハンディを自分自身に与えておくと、「負けて当然だ」、「調子が悪かったから負けたんだ」と考えられるため、プライドを守ることができます。
セルフ・ハンディキャッビングを使う人は、いっけん謙虚そうに感じますが、何があっても自分のプライドを守りたいと考えている…
つまり、プライドが高い人が多いようです。
特に、ハンディに自分の能力とは関係のない、体調や天候などを選ぶ人にはこの傾向が見られます。
このタイプは、失敗やミスをとがめたり、「なんだ、始まる前から言い訳?予防線を張ってるンじゃないの?」などと揶揄されると、せっかく守ったプライドを傷つけられたと感じてカッとすることがありますので、要注意です。
また、これはちょっとずる賢い作戦ですが、苦手な共同作業で手を抜きたいときにもセルフ・ハンディキャッピングが使えます。
作業開始前に「今日は体調があまりよくなくて…」、「この作業、あまり得意じゃないんだよな。迷惑かけるかも知れないけど、許してな」とハンディを強調しておくと、共同作業の相手が「その分も頑張らなくてはいけない」と思い込み、ふだん以上の力を発揮してくれます。
「セルフ・ハンディキャッピング」は、人が使っているときは面倒に感じるかもしれませんが、自分もうまく使ってしまえば有効な手段となりうるのです。
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