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「管理職」…この言葉を聞くと、「とれも偉い人なんだな…」、「部下が何人もいるのだろう」などと想像してしまいます。
ただ、管理職と一口に言ってもどういう人のことをいうのか、正直よくわかりません。
管理職に定義などあるのでしょうか?…
そこで、今回は「管理職とは何か?」…労働基準法の観点から考えてみたいと思います。
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会社組織のしくみ
会社は目標を達成させるために、経営活動を行っています。
そして目標を達成しやすくするために、仕事を分担し協力し合っています。
具体的には、組織は「分業化」と「階層化」に分けることができます。
➀分業化・・・1人でいくつもの仕事を担当するよりも、分業化してそれぞれの人が専門的に従事した方が、仕事もやりやすく効率的です。そこで、組織を営業・生産・総務・経理というように仕事の範囲を専門的に区分します。
➁階層化・・・仕事を能率的に進めるために、分業化と並んで「階層化」が行われます。経営トップから、一般社員までの指揮命令系統ができあがり、これで集団をまとめていくことができます。
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管理職とは?
管理職とは「階層化」の中で責任と権限を与えられた組織上の責任者の名称で、取締役のように法律で決められた名称ではありません。
そのため、役職の名称も課長、リーダー、部長、局長、マネージャーなど会社ごとに異なります。
ただ、部下を管理する管理職は、労働基準法の「使用者」となることに注意しなければなりません。
同法10条には、「この法律で使用者とは、事業主または事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をする全ての者をいう。」と規定されており、「事業主のために行為する者」に管理監督者が含まれます。
管理監督者は、一般的には部長、工場長など労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な地位にある者という意味で、名称にとらわれず実態に即して判断されます。
具体的には…
➀職務内容・・・重要な職務、責任と権限がある
➁人事権・・・アルバイトなどを採用し配置する、労働条件を決定し、人事考課を行う
➂経営決定権・・・経営に関する会議等に出席する
➃勤務時間の自由裁量・・・出退勤が自由
➄その地位にふさわしい待遇・・・基本給、役付手当が適切か、賞与等が一般社員より優遇されているか
などにより判断されます。
近年、名ばかり管理職の問題があり、これに対処するため厚生労働省では、チェーン展開する小売業、飲食店などの店長らを対象に、管理職の具体的な判断基準を通達として示しています。
これによると、「職務内容、責任と権限」、「勤務態様」、「賃金等の待遇」の3つをあげ、その中で管理監督者性を否定する特徴的な要素を「重要な要素」と「補強要素」に分けて整理しています。
法律上の管理職に該当すると、使用者と労働者の2つの身分を持つことになるのです。
また労働基準法上の管理監督者になると、同法の罰則を受ける対象者になることを認識しておかなければいけません。
法律上は社長たちと同じ立場とみなされるからです。
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