目次
一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のこと…
これを「ロジカルシンキング」と言います。
日本語訳としては「論理思考」や「論理的思考」と置き換えられたりしますが、「ロジカルシンキング」は未だに日本にあまり定着していないとも言われているのです。
さて、この「ロジカルシンキング」…
なぜ日本では定着していないと言われているのでしょうか?…
また、そもそも「ロジカルシンキング」の必要性はあるのでしょうか?…
今回はその点についてお話をしたいと思います。
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なぜ日本におけるロジカルシンキングの必要性とは?
そもそも、なぜ日本では、ロジカルシンキングが社会的に必要とされてこなかったのでしょうか?…
日本はおおよそ単一民族で、さらに言語もだいたいが日本語を使っています。
また島国で農耕民族です。
江戸時代に代表されるように、一定の土地に住み着いて同じ顔ぶれの中で生活してきました。
また、近年まで企業は終身雇用制度、年功序列制度を前提としていました。
つまり会社の中の構成員は同じ顔ぶれで、さらに上下関係が明確に決められていました。
そういうわけで、日本社会、日本企業内においては、論理的に説明しなくても、お互いが理解し合えたのです。
「今さら説明しなくてもわかるでしょう。」とか、「何年やっているんだ、わかりきったことを聞くなよ。」ということが、まかり通りました。
また、上下関係が明確であれば、論理的に説明しなくても、「上司命令だから、つべこべ言わずにやりなさい。」が通用したのです。
つまり日本では、ロジカルシンキングしなくても十分コミュニケーションがとれました。
そうして「上司の考えを察して、先回りして先手を打つのが優秀な社員だ」ということが平然と通用してきたのです。
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日本におけるロジカルシンキングの必要性とは?
では、なぜ今、日本人にロジカルシンキングが必要なのでしょうか?…
一言で言えば、グローバル社会、ボーダレス社会に突入したからです。
国境を超えて経済活動が活発になるボーダレス社会に突入しました。
社会主義が崩壊し、中国をはじめとする社会主義国が、資本主義に仲間入りしました。
欧米人はロジカルシンキングが得意です。
またそれ以上に中国人は、ロジカルシンキングが得意です。
中国の政府首脳陣は、理科系の人材が多く登用されています。
中国の外交政策を観察していると、米国政府の要求に対して論理的に戦っている様子がうかがわれます。
日本政府も、中国のように世界中を相手にして対等に交渉するためには、ロジカルシンキングが不可欠なのです。
ロジカルシンキングが不得意では、相に交渉の主導権を握られて、論理的に丸め込まれてしまいます。
その結果、お金と労力を提供するだけで、何も見返りがないという結果になりかねません。
同様に、日本の企業が世界を相手に戦うときにも、ロジカルシンキングが、ますます不可欠な能力となっているのです。
さらに日本の国内を見ると、二十代の若者たちの価値観が大きく変化してきました。
「具体的に仕事の指示がなけれぱやらない」という価値観が定着しています。
自分の仕事ならばやるけど、自分で気を使ってまで仕事を増やさないというわけです。
組織が若者を上手に使うためには、会社の目標、組織の目標、個人の目標という流れを論理的に展開していく必要があります。
「だから君の仕事はこれこれだ」というように論理的に説明するのです。
一方で若者たちは素直です。
自分たちが納得すれば、一生懸命仕事をします。
ただ、中堅社員のように、「言わなくてもわかるだろう」という暗黙の了解は通用しないと考えなければいけません。
「俺の背中を見て仕事を覚えなさい」と言っても今の若者には通用しません。
「先輩、背中にホコリが付いていますよ」、「背広、クリーニングに出した方がいいんじゃない」くらいにしか受け取らないのです。
つまり、日本国内の組織運営においても、ロジカルシンキングが求められているのです。
さらにロジカルシンキングが必要な理由として「スピードの時代」、「スピードで勝敗が決する時代」ということもあげられます。
先行者利益という考え方があります。
ファーストムーバートップシェアの法則(先行者利益の法則:最初に新しい事業や画期的な商品や技術を開発した者がトップシェアを握る)といいます。
スピードの時代では、試行錯誤して時間を浪費しているヒマはありません。
他社に先駆けて、いち早く勝ちを取りにいかなければ利益が得られない時代です。
試行錯誤を最小限にするためにもロジカル·シンキングが必要です。
目標を定や目標達成のシナリオを描くことが必要です。
経営資源や時間を浪費している猶予はありません。
一発必中(一発で必ず成功させる)が求められています。
確実な目標達成を一発で決める…
そのためにもロジカル·シンキングを必要としているのです。
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