購買意思決定プロセス…顧客は何を基準に製品を選ぶのか?

顧客がどの製品を購入するか?…
決めることを購買意思決定といい、その過程のことを「購買意思決定プロセス」といいます。

例えば、自動販売機の前に立って何か飲み物を購入しようという場合…
私たちは様々なことを考えながら、あるいは逆に特に明確には考えないまま、1つの飲み物を選び出すことになりますよね?
この意思決定のプロセスを理解できるようになれば、顧客のニーズに応えるマーケティング活動をより効率的に実施できるようになるはずです。

消費者行動研究の視点からは、大きく2つのタイプの購買意思決定モデルを考えることができます。
1つ目は、「刺激・反応モデル」と呼ばれる考え方です。

「刺激・反応モデル」では、人は外部から刺激を与えると何らかの反応を返す存在だと考えられます。
例えば、ターゲットとなる人々に対してたくさんのテレビCMを提供する。
すると、このたくさんのテレビCMという刺激を与えられて、その内容を頭の中で分析して、例えばその製品を購入したいと思うようになったり、逆にそう思わなかったりするというわけです。

様々に存在する刺激の存在と、その刺激に対する消費者の反応を調べていくことで、彼らの購買意志決定がわかっていきます。
例えば、とにかくテレビCMをたくさん流せばたくさんの人が買ってくれるようになるわけではなく、テレビCMを流すタイミングや、もっと他の刺激も一緒に与えた方がいいということがわかります。

あるいは、同じ情報であっても繰り返し刺激として与えていくと、徐々に学習のレベルが高まっていくため,情報の理解のされ方が変わっていくということもわかります。
「刺激・反応モデル」を通じて、消費者行動の様々な側面を捉えることができます。
実際、私たちは日々の生活の中で、「刺激・反応モデル」に当てはまるような形でしばしば購買意思決定を行っていると考えられます。

その一方で、「刺激・反応モデル」とは少し異なった形で購買意思決定をする局面もあります。
例えば、パソコン好きの人々であれば、特別パソコンに関する刺激が外部から与えられなくても、自分から率先して情報を収集し、分析し、独自の購買意思決定を行うでしょう。

こうした消費者の能動的な側面に注目するモデルが、もう1つの代表的なモデルといえる「消費者情報処理モデル」です。
「消費者情報処理モデル」では、消費者の購買意思決定は、外部から与えられる刺激によって決定されると考えられます。

これに対して、「消費者情報処理モデル」では、消費者の購買意思決定は、自らの情報処理能力によって決まると考えます。
研究上は、今日では後者の消費者情報処理モデルの枠組みに沿うものが主流になっています。




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購買意思決定プロセスにおける「知識カテゴリー」



「消費者情報処理モデル」では、消費者は、購買に関して最初に動機や目標を持つと考えられます。
そして、その動機や目標に従って、特定の製品やサービスに注目し、必要な情報を収集して自ら分析を行います。

収集に関しては、自分の記憶を探ることもあれば、外部に情報を収集しに出ることもあれます。
その結果は学習を通じてフィードバックされ、次回の購買意思決定に際して利用されることになるのです。

情報を収集し、分析を行うという点に注目することで、購買意思決定における消費者の頭の中を捉えることができます。
このとき「知識カテゴリー」と呼ばれる記憶の構造が重要になります。

消費者の頭では、情報がパラレルに並べられているのではなく、重要な情報ごとにまとめられ、また階層化されていると考えられているわけです。
これらのカテゴリー化された知識と外部から得られる新たな情報を用いて、消費者は分析を行います。

その方法はおおよそ2段階に分かれます。
第一に、情報や選択肢を大まかにふるいにかけます。
自動車の購入であれば、まずは200万円以下で、4人乗り以上といった絶対に必要な条件を挙げるわけです。

そして第二段階として、残った情報や選択肢について、詳細に属性を検討していくことになります。
前者は特定の属性が絶対的であることから非代償的、後者はそれぞれの属性が補完的な関係になるため代償的な分析方法ともいわれます

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