ご存知の通り、メディアは長らく4媒体といわれてきました。
つまりはラジオ、新聞、雑誌、テレビです。
ところが、インターネットという新しいメディアが登場して以降、メディアは5媒体として考えられるようになると共に、この新しい媒体であるインターネットの比重が確実に伸びてきています。2004年に
は、インターネットの広告費はラジオを抜き、今や雑誌と新聞よりも大きな額になりました。
後はテレビを残すのみです。
こういった状況では、まさにネット広告の時代だと考えるのは当たり前のことです。
もちろん、ネットだけでしか広告できないというわけではありませんから、企業は、これら5媒体をうまく組み合わせればいいということになります。
クロスメディアと呼ばれる考え方は、まさにこうしたたくさんのメディアをうまく組み合わせることを1つの目的としています。
これはメディア・ミックスやプロモーション・ミックスも似た言葉です。
ただ一方で、メディアの数が増えたから、その組み合わせが大事になっていると考えるだけでは、クロスメディアの意味を取り損ねていることになります。
メディアの数が増えても、例えばテレビCMの効果が以前と同じように絶大であるのならば、テレビCMだけを利用すればいいはずです。
クロスメディアが重要だと考えられるようになってきた背景には、第一に、個別メディアの力が、昔ほど強力ではなくなっているということが挙げられます。
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たとえば昔、NHKの紅白歌合戦の視聴率は70%、80%だったといいます。
こうした時代であれば、誰もがテレビを見ており、テレビからの情報も伝わりやすかったといえるでしょう。
しかし、今やテレビを見る機会も減ってきています。
紅白歌合戦はそれでも40%近い視聴率を有していますが、テレビが三種の神器だった時代はもはや昔の話かもしれません。
実際、テレビそのものを必要としない、せいぜいワンセグ機能のついたケータイがあれば十分という若い世代も増えてきているようです。
もう1つ重要な点があるように思います。
それは、個別メディアの力が総じて弱まっているとともに、インターネットという新しいメディアを中心にして、メディア自体の融合が進んでいるように見えるということです。
例えば、若い人々は、テレビを見なくなったといわれる一方で、テレビ番組の内容を非常に詳しく知っています。
YouTubeをはじめとする動画配信サイトを利用することで、インターネット上でテレビ番組を見ることができるからです。
も現実としてそ
考えてみれば、雑誌記事や新聞記事もネット上で読むことができるようになっています。
ネットラジオも存在しています。
もちろん、他のメディア同士の融合も、昔からあったに違いありません。
しかし、ことインターネットに関しては、その融合の力が特に強いように見えます。
販売促進という観点からメディアを捉えた場合にも同じことがいえそうです。
1つのメディアに依存するだけではうまくいかなくなっているという現状が、クロスメディアという発想を要請しています。
しかし同時にそれは、メディア自体が、すでに融合化してきているということであり、だから何らかのメディアを利用するということは、すでに他のメディアとの関係を必然的に考慮しなくてはならないという状況を意味しています。
インターネットの可能性は様々に語られています。
後述することになりますが、CGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)やソーシャルメディアと呼ばれるユーザーベースのコミュニケーションツールも、インターネットの重要な特性の1つになりつつあります。
しかしここでは、それとは別に、インターネットが他のメディアと縦横無尽につながっていく性質を有しているということを指摘しておきたいと思います。
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