大手ビジネスホテルチェーン株式会社東横イン創業者である「西田憲正」氏…
斬新なアイデアで一大ホテルチェーンを築き上げました。
西田氏は終戦直後の1946年生まれ…
電気設備工事会社の経営などを経て、1986年、東京蒲田の駅裏からホテル業へ進出しました。
自著によれば、友人の相談から始まった話であり、自ら積極的に乗り出したわけではないようですが…
それだけにホテル経営の思考(というかウリ)は、素人ならではの「発想の転換」が肝となっています。
以降、20年弱で100店舖超(2015年4月現在で、国外を含め249店舗を展開)のホテルチェーンに育て上げましたが、その手腕はやはり並大抵のものではありません。
発想の転換の具体例を挙げると、ほぼ女性従業員のみでの現場運営、利益率の高いアダルトビデオ視聴の不採用、宴会場やレストランを設置しないなど、既成のビジネスホテルとは一線を画しているのです。
その最大の目的は、徹底したコストカットで廉価な宿泊料金を実現することでした。
西田氏の戦略は見事にあたります。
泊まることが最大の目的のビジネスマンニーズに、ぴったり合致したのです。
しかし「もっと清潔に安心感と値頃感」というモットーが後述する事件との矛盾点を生むのは皮肉なものでした。
西田式経営に暗雲が立ちこめたのは100店舗達成まもない2006年1月のこと…
横浜の店舗でハートビル法(バリアフリー法)の条例違反が見つかったのです。
しかも、当時の会見で障がい者軽視ともとれる発言をしたため、世間から強い反感を買いました。
そして2008年、松江駅前店で致死量を超える濃度の硫化水素が発生する事態が起こります。
原因はホテル建設時に不法投棄された廃棄物…
廃棄物処理法違反で逮捕された系列会社社長と共謀した容疑で、西田氏も島根県警に逮捕されます。
翌年3月に懲役2年4カ月、執行猶予3年および罰金150万円の有罪判決を受けました。
系列会社社長らは不法投棄の理由に「(投棄のための)経費節約」を挙げていますが、それは「安心感」とはほど遠い行為と言わざるを得ないでしょう。
また、創業当時のウリだった女性従業員(素人の女性をホテルの支配人にするなど、当時の一般的ビジネスホテルとは違った斬新な経営に取り組む)との二人三脚も、労組に労働環境の改善を再三求められているのが実情です。
現在は一族に経営トップをゆだねているとは言え、西田氏の影響は少なくないはずです。
そういった意味では、今一度「創業者」としての真のプライドを見つめ直す機会と言えるのではないでしょうか。
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