何ごとに対しても、消極的でやる気がない…
あるいは自分で勝手に暴走して、すぐにミスをする…
タイプは違えど、こんなダメな部下や後輩がいると、イライラするだけでなく、仕事そのものに支障をきたしかねません。
こうした部下や後輩に対しては、頭ごなしに叱ってしまいがちですが、それではかえって逆効果なのです。
消極的なタイプは、萎縮(いしゅく)してしまい、ますますやる気をなくしてしまうでしょうし、暴走するタイプは意固地になって、暴走の度合いがさらに激しくなりかねないからです。
また、「こんなやつに頼むより、自分でやった方が早い」と、部下の仕事を取りあげてしまう人もいるでしょう。
しかし、これでは部下がいつまでたってもダメなままで成長しません。
いくら仕事ができても、部下の育成という点で上司としてマイナス評価となることもあります。
では、ダメな部下や後輩には、どんなふうに対処すればいいのでしょうか?…
部下をその気にさせるには、「やればできる!」と思わせる仕事の提示の仕方が重要なのです。
そのためには仕事の工程を細分化し、達成可能と思える小さな目標を与えることがポイントとなります。
たとえば、3日後の会議に必要な複数の資料を作成させる場合、最初に全部指示するのではなく、簡単な資料から順に一つずつ依頼し、それに合わせて期日も細かく指定してみましょう。
指示を受けた部下も「これなら自分にもできる」と思い、積極的に取りくむことができるはずです。
心理学では「やればできる!」という確信を、「自己効力感」といいます。
人にやる気を起こさせるコツは、その人の自己効力感を引き出すこと…
特に、ミスが続いて自信を喪失している部下に対しては、些細なことでも、自己効力感が発揮できれば、自信回復のきっかけになるのです。
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目標が達成できたら、その都度ほめることも大切です。
ほめたり期待したりすることで、相手の力がのびることを「ピグマリオン効果」といいます。
「些細なことでほめると、部下はつけ上がるだけ」と思う上司は多いはず…
しかし、いつも怒られてばかりの部下なら、なおさらピグマリオン効果が発揮され、ほめてくれた上司の期待に応えようとするものです。
ほめ言葉は、部下のミスを注意するときにも使えます。
たとえば、見積書の作成を頼んだ部下が、予想以上に速くしあげてきたが、内容はミスだらけだった場合…
普通は「いくら速くても、これじゃダメだ」と注意するでしょう。
それを「すごく速くしあげたね。でもミスもあったな」と言い方を変えると、それだけでずいぶん印象がやわらかくなります。
人は、批判されても、ほめ言葉があると、それが印象に残りやすいのです。
相手をほめたり肯定する一言があると、そのプラスのイメージが、否定をやわらげてくれるのですね。
さらに、ほめ言葉の印象を強くすれば、効果があります。
「ミスは多かったけど、すごく速かったね」と言うのです。
言い方ひとつで、人の気持ちは変わるもの…
性格や状況に合わせた的確な指示の方法と“ほめる”、“注意する”ときの工夫…
この2つが、上に立つ人間の条件と言えるでしょう。
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