コヴィーの「7つの習慣」と自分自身を変えるためのプロセス

スティーブン・R・コヴィーの「成功する人物の7つの習慣」(日本版の書名は「7つの習慣-成功には原則があった!」)は、1990年に初版が発行されるやいなや、一大センセーションを巻き起こし、32言語・75ヵ国で計1500万部を超えるベストセラーとなりました。

ここでコヴィーは、「成功するためには、個人としての有効性と職業としての有効性をバランスよく備えることが重要だ」と指摘し、個人とビジネスの2つの領域で成功するための行動パターンの指針を示しています。
具体例として、ビジネス上の課題を題材にしたものに加えて、家庭内における状況もとり上げています。

では、その「七つの習慣」とはどんなものだったのでしょうか?
それはズバリ…

➀前向きである
➁物事に着手する時点で最終状況を思い描く
➂やるべきことからとりかかる
➃全員が勝者となるような解決策を考える
➄相手から理解される前に相手を理解しようと努める
➅相乗効果を生み出そうとしている
➆切磋琢磨している

というものだったのです。

これが、世界中の人々を惹きつけたのは、やはりその強烈な説得力でしょう。
コヴィーは、七つの習慣の本論に入る前に、次のような内容のことを述べています。

1776年以降にアメリカで出版された“成功”に関する文献をすべて読み、その結果、驚くべき傾向に気がついたと…
それはアメリカ合衆国の最初の150年に書かれた文献のほとんどが「成功の土台は人格である」としていることだったというのです。
すなわち、内面的な誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制といった徳目を重視する「人格主義」ともいうべきものでした。

ところが、次の50年間の文献は、社会的イメージづくりやテクニック、応急処置的な手法に集中していたのです。
そこでは、成功は公のイメージ・態度・行動・人間関係をスムーズに進めるためのスキルによって導かれるとされていました。

しかし、それはあくまでも二次的なものでしょう。
行動の裏づけとして深いレベルで誠実と廉潔がなければ、人生の大きなチャレンジに直面したとき、必ず真の動機が表面化し、短期的な成功の代わりに人間関係の決裂が生じるのです。

コヴィーは、この七つの項目は、自分自身を変えるプロセスなのだと言います。
これらの項目は決して応急処置となるものではない…
しかし、すぐに現れてくる結果も必ずある…
そして、このプロセスを最後まで見届ける忍耐があれば、十二分にその価値を知ることができる、と。

つまり、この七つの習慣を辛抱強く身につけようとすることによって、自分自身が変わり、いつしか成功を導くことになるというわけなのです。
なお、コヴィーは国際的に高い評価を受けるリーダーシップ研究の第一人者でもあります。




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