グーグルの人工知能は「絵を描く」段階にまできている?!

人工知能(artificial intelligence・AI)の言葉は皆さん、ご存知のことでしょう。
では、今、人工知能はどの程度のことまでできるようになっているのでしょうか?…

比較的やさしいゲームで人間よりも高いスコアを叩き出すところまでは進歩してはいますが、実は人工知能は「芸術」の分野にも波紋を投げかけていたりするのです。

2015年、ニューラルネットワーク(人間の脳の神経回路を模したモデル)を備えた人工知能に、膨大な絵を学習させた上で、それらのデータを参考にして絵を描かせてみた結果を、グーグルが発表しました。
「人工知能が描いた悪夢のような絵」ということで話題になり、ネットなどで見たことがある人もいるかもしれませんね。

グーグルが用いた人工知能は「Deep Dream」…
ニューラルネットワークの働きを解明するために新たに開発された人工知能であり、膨大な量の画像を「学習」させ、その特徴を抽出することで、人間の手を借りずに画像を分類できるのだといいます。

この技術がさらに進歩していけば、人間が画像にタグを付けなくても、「おばあちゃんの写真を見せて」とスマートフォンに伝えるだけで完璧に該当の写真だけを抽出してくれるようになるかもしれないのです。

「人工知能が悪夢のような絵を描いた」と話題になったのは、特定の画像を見せられた「Deep Dream」がその画像の中から「見覚えのあるパターン」を合成させ、再構成した画像…
有名なところでは、ラーメン二郎の大盛りラーメンを「Deep Dream」に見せたところ、具材が犬や鳥などに見えてしまったのか、ところどころに動物の眼球が見え隠れするような悪魔的な見た目のラーメンに生まれ変わってしまったのです。

また、特定の画像をそのように再構成するだけでなく、何も画像がない状態でも「Deep Dream」にランダムなノイズを与えることによって、イチから絵を作らせることも可能です。

これまでに見たことがある数百万枚の写真を基に人工知能が作り出した絵はきわめて幻想的なもので、これを発表したグーグルの研究者は、それらの絵を「夢」と名づけました。

もちろん、これらの絵は人工知能が「自主的」に描いた絵ではなく、人間が何らかの働きかけをしないと生まれないものなので、「人工知能が描いた」というのはやや語弊があるのですが…
しかし、この先さらにディープ・ラーニングの研究が本格化していけば、人工知能自らが芸術作品を生み出し、人間を圧倒したり、感動させたりする時代が到来するかもしれません。

そのとき、人類のアイデンティティは大きく揺り動かされることになるでしょう…
まず考えられるのは、画家や音楽家などのアーティストが失業すること…
実際、音楽の分野では、すでにボーカロイドが人間の歌手以上に人気を集めているのも、ひょっとするとその始まりかもしれないのです。

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