「労働基準法」の効力はをビジネスマンは知っておくべし

皆さんも「労働基準法」が労働条件などに関する基準を定めていることはご存知のことでしょう。
しかし労働基準法の「効力」について知っている人は意外と少ないかと思います。

ここでは、そんな労働基準法の「効力」について少しお話しましょう。




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「労働基準法」の効力はをビジネスマンは知っておくべし



もしあなたが会社でトラブルに巻き込まれたら、労働契約、就業規則、労働協約をチェックすることが大事です。
今回の件が、それらに対する違反でないか調べてみるといいでしょう。

それらの件について、労働契約、就業規則、労働協約では明確に定められていないこともあるでしょう。
そんなときは労働基準法の出番です。
労働基準法にどう定められているかにより、すべては決まってきます。

また、仮に労働契約、就業規則、労働協約で定められていたとしても、その内容が労働基準法に違反していれば、それらはすべて無効になります。
なぜなら労働基準法では、以下のように定められているからです。

この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。
この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。

と規定されています(労基法13条)。

つまり、もし労働者が労働基準法に反している労働契約を結んでしまっても、労働者はそれを守る必要はないのです。
そして、労働基準法に定める労働条件を会社に権利として請求することができるのです。

労働基準法で定められた労働条件は「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすもの。」(労基法1条)であり、条文は強行規定となっています。
「強行規定」とは、「〇〇しなければならない」、または「〇〇してはならない」というもので、努力義務規定などとは違い、「絶対に守らねばならない」というものです。

そして、違反した場合は、違反内容の軽重に従って「10年以下の懲役または300万円以下の罰金」から「30万円以下の罰金」までの罰則が定められています。

ちなみにこの際の処罰対象は、「両罰規定」と呼ばれ、まずはその行為を行った人が処罰されるのですが、同時に事業主にも責任を負わせることとしています。
つまり、「これは社員の起こした問題なので…」と言い逃れることはできないのです。

管理監督者が法に違反すれば、会社自体(法人または社長個人)にも同様の罰金刑が科されることになります。
労働基準法の効力は、それほど強いのです。

ただし、一つだけ注意が必要なことがあります。
労働法の中には、規定によって会社に対して強制的なもの(強行規定・義務規定)と、できるだけ努力すれば足りるもの(努力義務規定)、違反すると罰則を科されるものと科されないものがあり、様々なバリエーションがあるのです。

労働基準法、さらには最低賃金法、労働安全衛生法は強行規定であり、労働基準監督官が取締りき行い、違反すると罰則を科されます。
一方、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法、パートタイム労働法は、主に強行規定ですが、主要規定に罰則はありません。

ただし、会社が強行規定(具体的な措置の実施を定めた規定に限る)に違反し、社員に損失を与えた場合、社員は民事訴訟により損害賠償請求することができます。
また、訴訟以外のあっせん、調停の際に解決金等の支払いを求めることができます。

このように、規定の強制力や罰則の有無は、それぞれの法律で異なっているのです。
各企業や労働者は、次の点を確認してから対応の仕方を決めることが必要になります。

➀「強行規定」か?それとも「努力義務規定」か?
➁その規定を会社(経営者、管理監督者)に守らせるためにどのような手段が定められているか?その強制力、実効性はどうか?
➂違反した場合の罰則規定はどうなっているか?
➃労働者は、違反した会社に対して損害賠償請求できるか?

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