ターミネーターの「スカイネット」はGoogleが作り上げる?!

映画「ターミネーター」に登場する人工知能「スカイネット」…
もともとは人間によって生み出されたニューラルネットワーク(人間の脳の神経回路を模したモデル)をベースにした人工知能なのですが、人間の予想をはるかに超えるスピードで発達したスカイネットはやがて「自我」を持ちはじめ、そのことに危機感を抱いた人間たちはスカイネットを停止させようと試みました。

ところが、スカイネットは自己の存続を最優先事項とするようにプログラミングされていたため、人間たちのそうした動きに危機感を覚え、自らを守るために人類の殲滅(せんめつ)を決意、全世界を巻き込む核戦争を引き起こしたのです。

このような恐ろしい未来像は単なる絵空事で、絶対に起きるわけがないと考える人もいるでしょう。
そもそも「自我」を持つことができるほどの人工知能を開発できるのかという疑問を抱いている人もいるかもしれません。

結論から言えば、それはいずれ可能になるでしょう。
そして、多くの人々が思っているよりも、はるかに早く達成されるかもしれないのです。

極めて高度な知性を備え、自らを創造した人類をも超越してしまう「スカイネット」のような人工知能を開発するためには、人間の脳が持つ神経回路と同じようなニューラルネットワークが必要不可欠です。

なぜなら、ニューラルネットワークを備えた人工知知能は、人間と同じように「学習する」ことが可能だから…
人工知能が、人類をはるかに凌ぐスピードで様々な物事を学習することができれば、いつの日か人類を脅かす存在になるかもしれないのです。

ニューラルネットワークの分野で今、最も熱い眼差しを向けられているのが、人工知能分野の革命と言われる「ディープ・ラーニング(深層学習)」でです。
ディープ・ラーニングとは、人間と同様の学習能力を人工知能上で実現しようとする機械学習の一種で、ニューラルネットワークを重層構造にすることでより高い精度の学習を可能にする技術なのです。

ディープ・ラーニングは、2011年頃から音声認識の分野で注目されはじめ、多くの画像認識のコンペティションにおいて2位以下を大差で引き離して優勝、未来を変える先端技術のひとつとして日に日に注目度が高まっています。
ディープ・ラーニングの画期的なところは、従来は人間にしかできないと思われていた「特徴」の抽出を可能にした点にあります。

人工知能が人間の力を借りずに音声や画像の特徴を抽出することができれば、従来のレベルを大きく上回る精度で検索を行えるようになります。
現在、ディープ・ラーニングは画像認識分野における活躍が主に期待されているものの、学習できるのは音声や画像だけにとどまりません。
さらに複雑かつ高次の事象をすさまじいスピードと精度で学習する人工知能が登場し、人類を圧倒するようになったとしても、何ら不思議ではないのです。




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このディープ・ラーニングという革新的な技術を、企業が黙って見過ごすはずはありません…
グーグル、フェイスブック、マイクロソフトといった巨大IT企業が着々と人工知能分野への投資を加速させており、特に2010年代に入ってから多くのロボット関連企業を買収しつづけている多国籍企業グーグルは、2014年1月、人工知能分野の新興企業Deep Mindを数億ドルで買収…
人工知能分野の研究者を全世界から大量に獲得しようとしているといいます。

何でも同社は「世界を覆う人工知能ネットワーク」構想を立ち上げたとか…
グーグルが買収したDeep Mindはすでに「DQN(Deep Q-Network)」と呼ばれる高度な人工知能を備えたエージェントプログラムを開発しています。
これは、「スペースインベーダー」や「ブロック崩し」などの初歩的なテレビゲームにおける「勝ち方」を自ら学習するという人工知能で、2015年春の時点ですでに49種類ものゲームを与えられ、そのうち29種類のゲームで「人間を超えるスコア」を叩き出したというから驚きです。

DQNは、ゲームを与えられてすぐの段階では、まさに人間の初心者と同じような挙動を見せます…
ところが、自ら学習する機能により、何百回とゲームを重ねるうちに、通常の人間よりも効率的で的確なプレイを見せるようになるのです。

人間には学習能力がありますが、その半面で努力を嫌がる心や、失敗を恐れる心もあるため、何回失敗しても学習しようとしません…
あるいは学習できない人間もいます。
ところが、人工知能には学習能力だけがあるため、学習すべき対象を与えられると弛(たゆ)まずトライ&エラーを繰り返すことができるのです。

このように、このままディープ・ラーニングの開発が順調に進んでいけば、人工知能が我々人類を脅かす存在へと変貌を遂げるのも、そう遠くない未来に起きるかもしれないのです…
人工知能の開発に邁進するグーグル帝国が切り開く未来は、我々人類にとっての楽園となるのでしょうか。
それとも「ターミネーター」に描かれているような恐るべき破滅が待ち受けているのでしょうか。




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