あなたは相手に伝わりやすい、わかりやすい表現を心がけていますか?…
「オレの文章は猿が読んでもわかるんだ」とかつて福沢諭吉は豪語したことがあります。
猿に聞いたことがないので正確なところはわかりませんが、たしかに「学問のすすめ」や「福翁自伝」は猿でも読めるほどわかりやすい文章ですし、わかりやすい内容であることは間違いありません。
ビジネスパーソンにも「わかりやすい表現」がつねに求められます。
なぜわかりやすい表現が大切かといえば、わかりやすくなければ、正確な情報が伝わらないからです。
伝わらなければ、人を動かすことはできません。
そうなると仕事の成果も思ったように上がるわけがないのです。
仕事ができる人ほど「わかりやすい表現」を駆使しています。
仕事ができない人ほど、曖昧で、小難しくて、何をいっているのかわかりません。
仕事ができる人は、それこそ猿でもわかる表現をしています。
基本的には下記の4つを意識しましょう。
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➀表現はできるだけ平易にする
「わかりやすい」という意味は、表現がむずかしくない、小さな子どもでもわかる言葉を使うということです。
もちろん、専門用語やカタカナはできるだけ使わないようにします。
松下幸之助は、いつも「それ、むずかしいな。もっと簡単な言葉にでけへんか?」といっていました。
ある外食チェーンのオーナーも、「宣伝コピーはその場にいるいちばん頭の悪い社貝がわかるかどうか?」で決めたというくらいです。
「わかりやすい」ということはそれだけ価値があるのです。
➁話は短くシンプルにする
長文よりも短文のほうがわかりやすいのは当然です。
しかし、長い話を短くすることほど難しいものはありません。
だらだら話している相手にイライラしたことがあると思います。
「もっとシンプルに」、「もっと短くいえばいいのに」と思うのですが、よっぽど頭の中で優先順位が整理されていなければできない芸当なのです。
簡単にすることを心掛けましょう。
➂優先順位を明確にする
聞き手にいちばん集中力があるのは最初の数分です。
集中力が切れそうな頃に「ここからが肝心です」といっても仕切り直しはしてくれません。
いちばん大切なことは最初にいう。
これが原則です。
話す前に「お話ししたいことが3つあります、1つめは…、2つめは…」といったようにナンバリングして話す前に「道しるべ」をつけることも効果的です。
➃副詞や形容詞に注意する
少し店長と店員の会話から一例を挙げてみましょう。
店長「今日はお客さんがどのくらい入った?」
店員「かなり入りました」
店長「売上は?」
店員「昨日と比べて相当いいです」
店長「粗利は?」
店員「かなりあると思います」
このような、かなり、そうとう、少々、ものすごい、とても、ものすごく……といった「副詞」を使った表現は、曖昧でさっぱりわかりません。
店長「今日はお客さんがどのくらい入った?」
店員「250人です」
店長「売上は?」
店員「20万円です」
店長「粗利は?」
店員「8万円です」
と、このように表現した方がわかりやすいでしょう。
特に数字は、アメリカであろうが中国であろうが、1は1、2は2です。
このくらいはっきりしていれば電話やメールでもわかりやすいと思います。
そのため曖昧な表現は使わないできるだけ具体的な数字に落とし込むクセをつけましょう。
副詞だけでなく形容詞もそうですが、これらはものごとを飾り立てる言葉ですから、多用するとほんとうの姿からどんどん離れてしまって実相がわからなくなってしまうのです。
人の話を聞くとき、副詞と形容詞を取り除こうと努力しても良いかもしれません。
ここまで挙げた4つのポイントは、話すときだけでなく、書くときのポイントでもあります。
わかりやすい表現力をつけるための効果的な方法は、「要するに?」、「一言でいうと?」ということをつね自問自答することです。
これを突き詰めていくと、自分が伝えるべきキモが見えてくるようになります。
この練習を繰り返すことで、確実に「わかりやすく伝える力」が上達するでしょう。
「わかりやすく伝える力」はエッジの効いたビジネスマンの基本でもあるのです。
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