なぜあなたの上司は無能なのか?…ピーター第一の法則

「あの上司は本当に使えない!」…
「よく上はあんな人をこのポストにつけたな」…
などと感じたことはありませんか?

企業や役所でヒエラルキー(ピラミッド型の階層制)が明確である組織に勤めている人なら、誰でも経験すると思うのですが、「有能な上司に恵まれることは少ないな…」なんて感じることは多々あるはずです。

中には「なぜ、その地位に就けたの?」と、疑いたくなるような人たちもいたりします。
そのような指導者がいるにもかかわらず、組織は大過なく運営され、大半の企業が行き詰まることなく存続しているのは不思議なものです。




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なぜあなたの上司が無能なのか?…ピーター第一の法則



このヒエラルキー(ピラミッド型の階層制)に見られる傾向と矛盾を、自分の経験から法則にしたのが、南カリフォルニア大学の教育学者、ローレンス・J・ピーター博士です。

名前:ローレンス・J・ピーター
生年月日:1919年9月16日-1990年1月12日
出身:カナダ・バンクーバー
職業:教育者
学歴:ワシントン州立大学

「バーキンソンの法則」が、企業や組織に多く見られる矛盾や愚行を解き明かしたのに対し、「ピータ-の法則」は、主に職階制の中で働く人たちの実態を述べています。

ピーター博士は、「職階制にいる限り、そこに勤める者は、自分の無能さを露呈する地位までは昇進できる」と喝破したのです。
ヒエラルキーがある政府機関や企業では、通常、能力主義をとっています。

ここで働く人たちは、駆け出しの平社員から始まり、成果を上げると階段を昇るように昇進し、順調に運べば管理職に就けるのです。
ところがピーター博士は、誰もが昇進するものの、各自の能力には限界があるので、それに見合う地位までしか昇進できないというのです。

能力以上のポジションを与えられても、業務を満足に果たせなければ、様々な支障が出て無能さを露呈してしまい、それ以上の昇進はできずにその地位にとどまるということです。
これは組織に勤めている…
あるいは勤めた経験がある人なら、誰しも思い当たる節があるのではないでしょうか?

たとえば、ある社員が当初はセールスマンとして多くの顧客を集め、会社の売上げと利益に大きく貢献し、優秀な販売員と認められて管理職へと昇進しても、次は、今までと違って多くの部下の上に立ち、販売以外にも財務や人事管理などの、不慣れな業務をこなさなければならなくなります。

しかしその社員に、それらを遂行するだけの能力があるとは限りません。
能力の限界を超えた仕事を与えられると、その人にいろんな欠陥が現れてくるものなのです。

ある識者は、このことを「成功をすればするほど、失敗をするものである」と皮肉っています。
その結果、ピーター博士は、「時間がたつにつれ、あらゆる管理ポストは、その職務を果たせない無能な人たちで埋められる」としているのです。

言いかえれば各自の無能さが露呈するまでは昇進するため、それぞれのポストが、期待通りの能力を発揮できない人たちで占められてしまうということだからです。

この事は何もビジネスの世界だけではありません…
以前行なわれた「事業仕分け」の結果を見ても、驚くほど多くの事実が明らかになり、管理者の無能ぶりがよくわかったのではないでしょうか。

仕分け人から、経営内容について詰問された独立法人の首脳が自分の組織でありながら金額の単位を大きく間違えたり、返答に窮すると付き添いのスタッフにいちいち確認するといった、最高責任者の対応としては信じがたいような場面がしばしば見られたからです。

あるいは、野党ではそれなりに能力を評価されていた国会議員が、与党の大臣に就任した途端、国民への配慮に欠ける言動が目立つようになったり、役人と折り合いがつけられないなど、無能さを露呈した例も少なからずあります。

さらに、大臣や党の幹部としては、その職責をこなし有能であるが、いったん総理大臣に就任すると、その職を1年そこそこで自ら退いた者が、数年間で5人も出たこともあり、日本の政治家の無能ぶりを全世界にさらしてしまったという悲しい例も事実あります。

では、なぜ企業や役所は何らかの実績を残すような仕事ができるのでしょうか?
その理由を「仕事とは、自分の無能力さが具現するレベルにはまだ達していない、平社員や一般職員によって支えられている」とピーター博士は言っています。
つまり無能な上司ではなく、有能な部下たちによって会社が支えられているのだと、博士は言及しているのです。

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