もし、自分の上司が無能だと感じるような人だったら…
ビジネスマンなら、あまり考えたくないシチュエーションですが、このようなケースは実際によくあります。
南カリフォルニア大学教授の教育学者ローレンス・J・ピーター博士は、あらゆるポストが不適格者で埋まるような悪弊を回避し、実際に実力のある人たちを、このような悪いパターンから救済すべきだと述べています。
ただ、言葉では簡単に言えますが、実際にそんなことができるのでしょうか?…
一般的に考えられるのは、昇進後に必要なスキルや職務への適性を、本人が見せるまでは昇進させないようにする…
つまり、現職で実績を上げても、その功績ではむやみやたらに昇格させず、昇給やボーナスなどで報いることだといいます。
あるいは新ポストに必要な能力を、昇進前に教育すること…
ただし、ピーター博士は教育について、「高い教育を受ければ受けるほど、周りからより多くの偏見を受ける」と皮肉っています。
あるいは、一定のトライアル期間を設けて、期限内に昇進できなければ、配置換えや降職などで現職から外すようにする…
これはアメリカの軍隊で、実際に行なわれていることだといいます。
しかし、これらはいずれも理想論であって、このような事前の対策は、なかなか実施しにくいものでもあります。
そこで、現実的な方策として、ピーター博士は次の2つを提案しているのです。
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1つ目に、職務上不適格とされた人を解雇することは難しいので、代わりによく用いられる手として、組織内で業務の遂行に直接かかわる部門のポストから外し、その人を「補佐するスタッフ部門、たとえば権限がない部長付きや専門職に異動させる」、場合によっては「窓際族」にするのだといいます。
あるいは、無能な人をそのポストから追い出すために、名目上は上の地位だが権限がない役職に、祭り上げること…
アメリカでも、これは常套手段としてよく用いられており、それを表す表現として、「kick upstairs(階上に蹴り上げる)」と呼んでいます。
2つ目は、「その本人の肉体的、あるいは精神的自滅を待つ」こと…
ピーター博士は昇進の結果、能力のない人は欲求不満に陥りやすいといいます。
なぜなら、昇進をすれば成果を上げたいと望むが、それに相応する能力がなければ、挫折感を覚えて自滅しやすいからです。
その兆候として現れるのは、管理職に就いた人物が、自分の机の上を派手に飾りつけたり、こまめにきれいにする…
あるいは、やたらと冗談口を叩いたり、問題を本筋からそらし、解決したかのように考えることだといいます。
このようにして無能な上司を徐々に会社や本来の業務から追い出していくことが有効だとピーター博士は語っています。
こうしてみると、なんでもはっきりとものを言いそうなアメリカ人も、意外と日本人と同じようなことをしているんだということがわかりますね。
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