「自律型ロボット」という言葉をご存じでしょうか?…
工場における作業用ロボットは、「コントローラ」と接続され、人間がそれを操作することによって、ロボットの本体を動かしたり止めたりしています。
ところが、ロボットにあらかじめプログラムを組み込んでおくことによって、コントローラと接続することなしに思い通りに動作させることは原理的には可能なのです。
この「コントローラと接続されていないロボット」のことを、自律型ロボットと呼びます。
私たち日本人にとって最も有名な自律型ロボットといえば、あの猫型ロボット「ドラえもん」でしょう。
当然ながら、ドラえもんやターミネーターほどの機能を備えた自律型ロボットは未だ誕生していないものの、昨今、自律型ロボットは私たちの生活の中にだんだんと定着しつつあるのです。
よく知られているのは、「自動お掃除ロボット」…
コントローラを持たず、人間が操作をしなくてもセンサーによってゴミを感知し、勝手に動いてくれるスグレモノです。
この自律型ロボット、将来的に災害救助の現場などで活躍することが大いに期待されているのですが、実は人類にとってきわめて厄介な問題を孕んでいるのです。
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では、その自律型ロボットが孕んでいる危険性とは何か?…
と言えば、それは「自律型ロボットが殺人を犯した場合、誰にも責任を問えない」という問題なのです。
将来的に、自律型のロボット兵器が運用され、その兵器が民間人を誤って不法に殺害してしまったとしましょう…
その場合、誰かが実質的にコントローラを操作して殺させたわけではないし、命令を下したわけでもありません。
おまけに、あらかじめ搭載されているプログラムにも何ら問題がなかった場合、いったい誰に対してこの殺人についての法的責任を追及すれ
ばいいのでしょうか?
実は、誰も追及することができない可能性があるのです…
自律型ロボットが不法に殺人を犯してしまった場合、民事裁判においても刑事裁判においても、軍司令官、プログラマー、製造者の誰も法的責任を負わなくてもよいかもしれないのです。
そうなれば、殺された人の遺族は、損害賠償金さえもらえなくなってしまうといいます。
そのため、自律型の兵器(通称:キラーロボット)を製造すること自体を禁止にするべきだという気運が盛り上がりを見せていますが、そうした動きは人工知能の開発自体に歯止めをかけることになるかもしれず、ロボット工学者たちは今、非常に複雑な立場に立たされていると言われているのです。
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