「モーツァルト効果」が嘘・デタラメだと言われる理由とは?
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生まれてくる子が、賢い子であって欲しいと願うのは、親ならば誰もが持つ想いでしょう。
お腹の中の赤ちゃんにモーツァルトを聴かせれば頭のよい子、もしくは情緒豊かな子が生まれるというのは未だによく信じられている説ですよね?

胎教のためのモーツァルト曲集のCDなども多く出ていて、そのようなCDで胎教をする母親も珍しくはないようです
しかし、残念ながらこの説は近年では嘘・デタラメだと言われているのです。

そもそもこの説は、フランスの耳鼻咽喉科医、アルフレッド・トマティス博士が1991年に提唱した「モーツァルト効果」が発端でです。
トマティス博士は、特定の音楽は、特定の症状に効き目があると唱え、中でもモーツァルトの音楽には気分を明るくし、目の前の課題への集中力を高める効果がある…と説きました。

1993年、トマティス博士の「モーツァルト効果」を観測する実験が、カリフォルニア大学の研究者、フランシス・ラウシャー博士とゴードン・ショー博士の2人によって行われました。
実験の内容は、2組の被験者のグループに、同じ空間認識のテストをし、一方のグループには試験前にモーツァルトを聴かせ、もう一方のグループには試験前に暗闇の中で過ごさせるというものだったのです。

この実験で、モーツァルトを聴かせてから問題を解かせたグループの方が好成績を収めるという結果を得ました。
博士たちはそのグループの被験者たちの空間認識力が高まったことから「脳のある部分には特定の周波数に反応する分野が存在していたらしい」と科学雑誌「ネイチャー」に発表したのです。




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2人の博士の実験は、個々の被験者それぞれの知能を調査したわけではなく、またモーツァルト以外の音楽では、どのような結果をもたらすかなどについても全く言及がありませんでした。

この実験からわかるのはせいぜい、「ある種の音楽が、人間の脳をリラックスさせ、それによって機能を向上させることもある」といったくらいのものであったのです。
それにもかかわらずマスコミは「モーツァルトを聴いた子供は賢くなる」と大々的に報じました。

博士たちは、自分たちの実験が誤解されており、モーツァルトを聴けば賢くなるわけではないと再三訴えましたが、この誤った学説が世間に蔓延していくのを止めることはできなかったのです。

1996年にはトマティス博士の下で研究していたドン・キャンベル博士が「モーツァルト効果」の商標登録をし、それに関する著作を発表するとこれが一躍大ベストセラーとなりました。
また、1998年には、ジョージア州とテネシー州の州知事が、全ての新生児にクラシックのCDを送る予算を確保するまでに至ったのです。

そのムーブメントにより、何百万もの妊婦がその効果を信じ、胎教としてお腹の中の子供にモーツァルトを延々と聴かせることとなりました。
胎教用のモーツァルトのCDを未だに出しているドン・キャンベル博士は「モーツァルト効果」の第一人者として知られています。
日本でも、モーツァルトの胎教神話が今日まで根強く残っているのはご存知の通りです。

その後も、この学説を証明あるいは否定するための実験が繰り返されましたが、1999年頃からその存在を否定する声が多くなってきました。
ハーバード大学のシャブリ博士の研究室では20の実験データを分析し平均を調べましたが、「モーツァルト効果」の存在を示す結果は得られなかったといいます。
また、アパラチア州立大学の研究所は、ラウシャー博士とショー博士の実験を再現しましたが、同じ結果は得られませんでした。

その中で2007年、ドイツ教育省では、様々な実験結果を総合した結果「モーツァルト効果は存在しない」とする研究結果を発表したのです。
それを覆すような、明らかな実験結果は未だ得られていません。

しかし、サブリミナル効果のたどった道と同じく…
一旦広まってしまったこの学説を一般大衆に誤りであると認めさせるのはなかなか難しいもののようです。




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