「万里の長城」が宇宙から見えるか?その答えはNO?!

「宇宙から肉眼で見える唯一の人工建造物は万里の長城だけ」…
こんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

確かに万里の長城は長大で、地球の建造物なら目に留まりやすいかもしれません。
しかし本当にそうなのでしょうか?

この説は中国の国語の教科書にも記載されるほどだったのですが、2003年、中国の宇宙船「神舟5号」で宇宙に旅立った中国初の有人宇宙飛行士、楊利偉が「宇宙から万里の長城は見えない」と、はっきりと否定してしまったのです。

それを受け2004年、中国の自然科学の最高研究機関である中国科学院も「宇宙空間から肉眼で観測することは不可能」との最終結論を出し、教科書の内容の改訂を求めました。

曰く「科学者によれば、長城の平均の幅はわずか10メートルほどで、狭く不規則な長城は、36キロメートルほど離れたところで人間の視界から消失する…
宇宙船の飛行高度は300から400キロメートルあるが、300キロメートルの高さからは地上にある500メートル四方の物体がなんとか1つの点として認識できるくらいのものであり、幅が10メートルの長城では明らかにこれに足りないのである」ということでした。

また、2004年、中国系アメリカ人宇宙飛行士のリロイ・チャオが宇宙ステーションからデジタルカメラで撮った地球の写真を解析したところ、そこには万里の長城の影が映っていました。
しかし、これをもってしても、カメラと肉眼の差は大きく、宇宙空間から万里の長城が見えることを証明するには至らなかったのです。

宇宙空間から見える地球に万里の長城が確認できたら…
それはさぞかしロマンチックな光景だろうが、残念ながらそんなことはなさそうです。




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