アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の世界はあり得るのか?

人工知能が人間の全てを管理する世界が必ずしも不幸であるとは限りません。
例えば、人間は人生の節目節目で進学、就職、結婚などの決断を迫られるが、誰もが正しい結論を下すとは限りません。
そのため人々は未来に不安を抱いたり、今の自分の生活が果たして幸せなものなのか疑心暗鬼に陥ったりするのです。

しかし、そうした人生の選択を人工知能が一括でやってくれたら、どうでしょうか?…
進学先も就職先も、結婚相手も個々人の適性に応じてコンピュータが決めてくれる世界となるのです。

自分で何かを選ぶこと…
すなわち自由の重さに耐えられなくなった人は嬉々として人工知能のアドバイスに従うのではないでしょうか。

近未来SFアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」(フジテレビほか)は、シビュラシステムという人工知能の一種が人々を管理している世界を描いています。
シビュラシステムは人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持ちます。

そして、その数値は通称「PSYCHO-PASS サイコパス」と呼び習わし、有害なストレスから解放された「理想的な人生」を送るため、その数値を指標として人々は生きます。
そしてその中でも、特に犯罪に関する数値は「犯罪係数」として計測され、たとえ罪を犯していない者でも、規定値を超えれば「潜在犯」として公安局の職員に裁かれるのです。

こうして見ると「PSYCHO-PASS サイコパス」は典型的なディストピアを描いた作品に思えますが、シビュラシステムによって潜在犯を発見して処分することで犯罪が未然に防げるので、大多数の人間にはきわめて安全で快適な社会を実現するのに必要不可欠なシステムと思われています。

また「PSYCHO-PASS サイコパス」の数値によって、シビュラシステムが職業適性や個人の欲求実現のための手段などを提供してくれるので、冒頭で触れたような自由の重さからも人々は解放されます。
シビュラシステムに従っている限り、人生で悩んだりすることはないからです。

シビュラシステムはスーパーコンピュータの並列分散処理とだけ一般には公表されていますが、実はさらにその上位機関として、免罪体質者(本来なら犯罪係数が上昇する状態あっても、規定値を超える犯罪係数が計測されない体質を持った人間)などの特異な人間の生体脳を200ほどつなげてユニット化したものが存在します。

これにより、思考力と機能を拡張し、より膨大で深化した計算処理が可能になりました。
複数の人間の脳を接続して全体で一つの意思を持つシビュラシステムは、たとえフィクションの産物とはいえ、人工知能のもうひとつの形態と言えないでしょうか。
これにより、大きな力を持った人工知能は人間に多くの恩恵を与えるかもしれません。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

PR

ページ上部へ戻る