理屈っぽい上司は意外と部下に好かれるかもしれない件

上司というのは、理屈っぽいと煙たがられるものです。
「理屈っぽい人」というと、理論にかたよっている、融通が利かない、屁理屈をこねる、といった悪い意味に日本では受け取られがちです。

「理屈」という言葉はもともと「道理に合う合わない」というときの「道理」にあたる「筋の通った論理」という意味なのですが、日本人はその理屈、いわゆる論理的思考の展開がどうもうまくできないのです。

そもそも日本人は、物事を感覚的に捉え、それに基づき答えを出していこうとするので、理詰めに弱いのです。
論理立てて話すより、感情に流されがちです。
また、その方が相手の共感も得やすいのです。

たとえば「桜の花が満開になりました」といった季節の風物詩がニュースとして、テレビで放送されるのを当たり前に受け取る感覚は日本人独特のもの…
海外のニュース番組などでは見られません。

論理より感情が優先される日本社会のあり方は、個人の考え方や思考にも大きな影響を与えています。
たとえば「なぜお寿司をよく食べるのですか?」と聞けば、日本人は感情を表現して「大好きだからです」と答えます。

しかし、一般的な外国人ならその味をとりあげて「おいしいからです」と表現するのです。
日本人が論理立てて考えるのが苦手な原因は、教育にもあります。




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私たちが学校で学ぶのは一つの解を求める方法ばかりですが、明確な解が存在する問題など、世の中にはほんの一握りです。
フランスのバカロレアという大学入学資格試験では、「どうして動物は言葉を話さないのか?」という問題が出題されたといいます。

正解のない問題です。
正解はないけれど、自分なりに「この結論に持っていく」という目標を定め、事例や事実、引用などを用いて、結論へ到達するまでのロジックを組み立てて答えるわけです。

欧米では、このようにロジカルに物事を考え、ロジカルに思考を積み重ねる教育が、子どものころからなされています。
一方、日本人はそういった教育を受けていないため、論理立てて考えることを苦手としているのです。

これがビジネスにおいて問題となるのは、仕事にも、究極的なたった一つの答えなど存在しないからです。
とはいえ、論理的な思考を展開することは、そう難しいことではありません。

「WHY」、つまり「なぜ」を徹底的に繰り返せばいいのです。
なぜそうすべきだったのか、なぜ必要だったのか、一つ一つ「なぜ」を積み重ねていくと、その結果、すべての事柄が論理の積み重ねであるとわかるはずです。
自分自身に日々、「なぜ」という疑問を突きつけ、すべてに答えられるようにすることで、ロジックを組み立てていく習慣を意識的に身につけてください。

また、仮に上司がロジック重視のタイプであれば、部下がきちんとロジックで詰めてきた案件については、NOといわないし、納得して応援してくれるのです。
上司は、たとえその計画の難易度が高く実行が難しいように思えたり、非効率だったり、もっと簡単なやり方があったとしても、部下が自分でやりたいという意志を持ってロジックを組み立てたのなら、任せた方がいいのです。

そうすることで、部下は試行錯誤しながら小さな失敗を重ねつつ、自分で習って成長していくことを、できる上司はわかっています。
こう考えると、道理が通れば認めてくれる論理重視の上司の下の方が、働きやすいと思いませんか?
ですので、ひょっとすると理屈っぽい上司は意外と部下に好かれるかもしれないのです。

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