「医師」という仕事が将来的には無くなってしまう可能性がある?!

オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士は自身の論文「雇用の未来」の中で、将来的に人工知能によって取って代わられて90 %以上の確率で「なくなってしまう仕事」だけでなく、人工知能が進化しても90%以上の確率で「生き残る仕事」についても言及しています。

生き残る仕事のリストには、「小学校の先生」、「心理カウンセラー」、「看護師」の他に、「内科医」や「外科医」などの医師も挙げられています。
医師という職業ほど、高度な知的能力が求められる職業はなく、また、外科医ならば知的水準だけでなく人間ならではの手先の器用さや繊細さをも要求されるため、とうてい機械によって代替できるとは思えません。
したがって、医師が「生き残る仕事」リストに含まれているのは至極当然のことのように思えます。

しかし、すでに風向きは変わりつつあるのです。
医師といえども、人工知能に取って代わられることはないと安穏としていられる状況ではなくなりつつあるからです。

人工知能はデータベースにアクセスし、膨大な情報の海から適切な情報だけをピンポイントで抽出することができます。
教育の現場で用いられる教科書や参考書、そして問題集の内容を完全にデータベース化することができるなら、「医学書」や「過去の診断例」だってデータベース化できるはずです。

しかも、現時点でも人工知能は画像認識分野において人間に迫るほどの特徴抽出能力を身につけつつあるわけですから、レントゲン写真やMRI画像を豊富な症例を参照しながら、人間よりも正確に解析できるようになるかもしれないのです。

そして、そうした情報検索能力・特徴抽出能力を持つ人工知能が、ディープ・ラーニング技術によって「学習」する能力を発達させていくなら、いずれ人工知能が医学という学問体系を「理解」するときが来ると考えるのは、別段不自然なことではないでしょう。

そして、人工知能は、人間の医師とは異なり、ありとあらゆる医学的知識、過去の診断例などに精通していながら、人間のように精神的不調や注意散漫に陥ることがないため、従来の医療現場で人間の医師によってたびたび行われてきた「誤診」や「医療過誤」を完全になくすことができるかもしれないのです。




Sponsored Links

人工知能が、将来的に学習面において医学のエキスパートになるということに関しては、ほとんどの方に異論はないと思われます。
しかし、臨床の現場では人工知能やロボットは使い物にならないのではないかと考えている方が多いのではないでしょうか?…

人工知能が、きわめて繊細な手先の動きを求められる「外科手術」や、高度なコミュニケーションスキルが求められる「問診」などの仕事を本当に代替できるのだろうか、と。

結論から言えば、将来的に外科手術も問診も、人工知能を備えたロボットによって代替されてしまうでしょう。
ロボットの手先の器用さは日進月歩で進歩しており、これまで「不可侵」だと思われていた、人間にしかできない手作業も侵食されていくことは間違いないないでしょう。

問診に関しても、患者の話していることを「理解」して的確な答えを返す人工知能がそう遠くない将来に生まれる可能性は高いと考えられます。
実際に、IBMが開発した人工知能「ワトソン」は、2011年にアメリカのクイズ番組に出演、出題者からの質問を受けて早押しで回答するというスタイルで人間のチャンピオンを打ち負かしているのです。

ワトソンには音声認識機能がなかったため、他の人間の出場者とは違い、文字によって問題を認識していたものの、将来的には人間の話している音声を認識し、理解した上で適切な回答をするようにグレードアップしていくことは間違いないでしょう。

実際、IBMは2011年の段階からワトソンを医療・ヘルスケア分野で応用する計画を立てており、今後は医療現場における画像解析など様々な役割を担うようになることが決まっています。
ワトソンに期待されている役割のうち、最も衝撃的なのは「治療薬の発見」でしょう。
ワトソンは、膨大なデータベースの中から、これまでに見つかっていない病気の治療に有効なタンパク質などを発見する能力があるため、すでに新しいがん治療薬の開発にワトソンが使われはじめているのです。

これまで人間にしかできないと固く信じられてきた「創造的発見」をも、人工知能が代替することができてしまう…
いえ、むしろ代替ではなく人間を「凌駕」してしまうかもしれません。
このまま行けば、薬学者や製薬会社の研究員といった職業も、将来的にはなくなってしまうかもしれないのです…




Sponsored Links

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PR

PR

ページ上部へ戻る